釣りに行かず車を放置していたら、バッテリーが上がってエンジンが掛からなくなりました。
JAFを呼んでもよかったのですが、めったにない機会なので魚探用のリチウムイオンバッテリーを使用したジャンプスタートを試してみました。
ジャンプスタート
車のバッテリーが上がってエンジンが掛からなくなったときにエンジンを始動させることを、ジャンプスタートといいます。
一般的なジャンプスタートの方法は、次の2通りです。
- 他の車から電気を借りる
ジャンプスタートといえばこれを思い浮かべる人も多いでしょう。
2台の車のバッテリーをブースターケーブルで接続して行います。
車を2台以上持っていない場合は、他人の助力が必要となります。 - ジャンプスターターを使用する
車に電力を供給するための携帯型電源装置(ジャンプスターター)があれば、単独で復旧できます。
今回は、ジャンプスターターの代わりに魚探用リチウムイオンバッテリーを使ってみました。
ちなみに、車のバッテリーをバスボート用のオンボード充電器で充電することも考えましたが、車のバッテリーを取り外すのが簡単ではなさそうだったのであきらめました。
下準備
ブースターケーブル
魚探用リチウムイオンバッテリーと車のバッテリーをつなぐためのブースターケーブルを用意します。
これは他の車から電力を供給してもらう場合にも必要です。
車のバッテリーサイズである「Q85」という規格に適応したケーブルを選びました。


メルテックというメーカーの「BT-21」という製品を購入しました。
クリップに接続の順番が表示されていて、ケーブルに使用方法を記載したタグが付いています。
ジャンプスタートが初めての人でも間違えることがありません。
アマゾンで税込1,200円くらいでした。

リチウムイオンバッテリーの放電
今回使用する魚探用リチウムイオンバッテリーは「EV-CUBE 14.8V 100A」で、フル充電すると電圧が16V以上になります。
一方、車のバッテリーは12Vで、電圧が16Vを超えることは好ましくないようです。
車の電装系に悪影響を及ぼさないように、魚探用リチウムイオンバッテリーを放電させて15V半ばまで電圧を下げます。
家でハミンバードの魚探HELIX9にバッテリーを接続して、デモ画面を流し続けました。
バスボートでライブソナーを使用しているとそれなりに電力を消費しますが、この状況ではなかなかバッテリーが減りません。
充電量70%ほどまで放電させるのに10時間以上要しました。
手順
ブースターケーブルの用意ができ、魚探用バッテリーの電圧調整も終わり、いよいよジャンプスタートに取り掛かります。
ケーブルをつなぐ順番や場所を間違えると発火やショートの原因となるので、気を付けてください。
車の準備
ギア:AT車は「P」に、MT車は「N」に
パーキングブレーキをかける
電装系の電源をすべてOFFにする
ケーブル接続①
車載バッテリーの+端子カバーを外し、①「故障車側」と記載のある赤いクリップを接続する


ケーブル接続②
魚探用リチウムイオンバッテリーの電源がOFFになっていることを確認して、+端子に②「救援車側」と記載のある赤いクリップを接続する


ケーブル接続③
魚探用リチウムイオンバッテリーの-端子に③「救援車側」と記載のある黒いクリップを接続する


ケーブル接続④
エンジンルームの金属部分に④「故障車側」と記載のある黒いクリップを接続する
※車載バッテリーの-端子に接続すると、火花が発生したときにバッテリーから出る水素ガスに引火する恐れがあるから危険


予備充電
ブースターケーブルを接続し終わったら、魚探用リチウムイオンバッテリーの電源をONにして、5分くらい待つ
これで放電した車載バッテリーが少しだけ充電される

エンジン始動
車のエンジンを始動させる
魚探用のリチウムイオンバッテリーで本当にジャンプスタートができるのでしょうか。
エンジンの始動スイッチを押すと、セルモーターがキュルキュルと回る音もせず、瞬時にエンジンがかかりました。
実験成功です!
ケーブル取り外し
魚探用リチウムイオンバッテリーの電源をOFFにして、取り付けた逆の順番にブースターケーブルを外す
しばらくアイドリングで車載バッテリーへ充電させてからエンジンを切る
車を走行して充電できればなお良い
あとがき
釣りに行かず、ブログも更新せず、ついには車のバッテリーがあがってしまいました。
いただいたコメントにも返信せず、大変失礼しております。
ジャンプスタートの実証実験ができたのは怪我の功名でしょうか。
魚探用のリチウムイオンバッテリーで、車のジャンプスタートができることが確認できました。
販売されているジャンプスターターと原理的には同じなのでしょう。
今回使用したバッテリー、電圧は高めですが調整すれば許容範囲であり、ジャンプスターターと比べて十分すぎる容量があります。
瞬発力(出力電流)が分からず不安でしたが、何の問題もありませんでした。
結論:魚探用リチウムイオンバッテリーは車のジャンプスタートに使える
使用した製品は「EV-CUBE 14.8V 100A」ですが、おそらく他社の同等品でも同じことができると思います。
ただ、ライブソナーに特化した電圧高め(20Vなど)のバッテリーの場合は、車に不具合が生じる恐れがあるので、12Vのバッテリーを積んだ車のジャンプスタートには使用しないでください。


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