ハミンバード魚探のオートチャートライブ(等深線マップ作成機能)について、使い込んで分かったことなどを書いてみます。
特徴
最近の魚探には、GPSマップ上に湖や河川の等深線マップを作成する機能が備わっています。
ハミンバードの魚探では、その機能をオートチャートライブと呼んでいます。
オートチャートライブの特徴は
- 記録するためには専用のメディア(ゼロラインカード)が必要
マイクロSDカードにSDカードアダプターが付属したもので、単体で購入すると税込22,000円です。 - 海底層の表示
ウィードの量やボトムの硬度をマップ上に表示可能です。 - ネットワークでのデータ共有はできない
ネットワークでリンクしている魚探で同じオートチャートライブのマップを表示することはできません。
こんなところでしょうか。
ボタンをポチリとするだけでマップが作れる非常に便利な機能です。
詳しくはマニュアルを読んでいただきたいのですが、マニュアルでは分からないことなどを補足します。
オートチャートライブシェアー
ネット上でオートチャートライブのデータを共有する機能があります。
下記ページにアクセスすると、データをダウンロードしたりアップロードしたりできます。
AutoChart LiveShare | Humminbird ChartSelect
利用するにはアカウントの登録が必要です。
ハミンバードユーザーはあまり協力的ではないのでしょうか。
私も利用していないので人の事は言えないのですが、ガーミンの同じシステムに比べると、アップロードされているデータが少なめです。
海底層
海底層を表示できるのがハミンバードのマッピング機能の長所です。
「水底の硬さ」と「植生」を選択できます。
水底の硬さ
ボトムが硬いエリアをマップ上に表示できます。
オートチャートメニューの「海底層」に✔を入れて、「海底地形」で「水底の硬さ」を選択します。
「硬度オプション」で、「最高硬度」と「最低硬度」を設定することで表示を調整します。
ちなみに、これは誤訳です。
英語表示では、それぞれ「Min Hardness」と「Max Hardness」となっています。
つまり、日本語表示で最高と最低が入れ替わっています。
「最高硬度」で、表示される最低の硬度を設定します。
この数値をうまく設定することで、ハードボトムと泥底の差別化が図れます。
「最低硬度」で表示される最高の硬度を設定します。
この数値を上手く設定することで、ハードボトムの硬度差を区別できます。
なお、琵琶湖南湖では、この「水底の硬さ」と次の「植生」のエリアがほぼ一致します。
南湖にはロックエリアが存在しないため、ボトムが硬いところにはウィードが生えるということでしょうか。
ただ、ウィードは泥より硬いから、魚探がウィードをハードボトムと判断しているような気もします。
植生
ウィードエリアをマップに表示できます。
オートチャートメニューの「海底層」に✔を入れて、「海底地形」で「植生」を選択します。
「ベジテーション オプション」で、「最小ベジテーション」と「最多ベジテーション」を設定することで表示を調整します。
「最小ベジテーション」で、表示される最低のウィード量を設定します。
この数値をうまく設定することで、ウィードがあるエリアと無いエリアの差別化が図れます。
「最多ベジテーション」で、表示される最大のウィード量を設定します。
この数値をうまく設定することで、ウィードエリアの濃淡を区別できます。
その他
私は、「硬度オプション」「ベジテーション オプション」ともに、Min~Maxの数値を8~16前後に設定しています。
正解値は無いので、それぞれの好みで適当な数値をみつけてください。
オートチャート、水底の硬さ、植生それぞれのカラーパレットをどれにするかも悩みどころです。
色がなるべく被らないような設定にすると、判別しやすくなります。
透明度を調整することも重要です。
「水底の硬さ」と「植生」を切り替えた際にうまく表示されない場合は、一旦電源を落とすときちんと表示されます。
海底層のオプション中に「ゲイン補正値」という項目があります。
季節や湖によってこの値を変えることで、海底層の表示を変化させられるようなのですが、数値を変えた効果は良く分かりません。
ボートスピード
高速で移動する場合は、そもそもソナーが上手く働きません。
このときに記録してしまうと、エラーデータが保存されます。
逆に、ほとんど移動しないような場合、これはGPS精度の問題で正確な記録ができません。
マリーナなど陸上で魚探を点けると分かるのですが、全く移動していないのに航跡は微妙に動いているような記録が残ります。
よって、スポットロックやほぼ無風でボートがほとんど動かない状態では、オートチャートライブを記録するのは控えましょう。
エンジンで微速で移動するような状況が、記録には適しています。
なお、記録後に高速で移動する際には、録画を必ずオフにしましょう。
エラーデータを削除するのが大変です。
ウィード
ウィードがあまりに濃くなると、正確な水深が記録できません。
これは、2Dソナー性能の問題です。
初夏以降、晩秋までの琵琶湖南湖のウィードエリアでは、魚探の水深表示がボトムではなくウィードトップを示すことが少なくありません。
オートチャートライブの記録は、ウィードが余り成長していない時期を選んで行いましょう。
水位
水位の増減によって、記録される水深も変化します。
もちろん、オートチャートライブには水位を調節する機能が備わっています。
25㎝単位で水位の増減を調節することが可能です。
25㎝増水していれば、+25㎝の設定をし、
25㎝減水していれば、-25㎝の設定をして使用します。
しかし、その中間の水位増減に対しては、細かな対応ができません。
これは、記録する際の水位が異なると、記録した等深線にズレが生じることを意味します。
12㎝の増水と、12㎝の減水では、24㎝ズレることになります。
私も水位を気にせずに記録を続けて痛い目を見ました。
フラットエリアがフラットではなくなるのですから。
オートチャートライブを記録するときは、必ず水位を気にしましょう。
25㎝の調整単位からあまりズレない日を選んで記録するようにしてください。
コメント
数か月前に、マリーナで挨拶させていただいたjokoです。
ブログ記事がとても参考になり感謝しています。
さて、私もハミングバードのオートチャートを使っているのですが、等深線マップが表示されるのがすごーく遅かったり一部しか表示されずいつもイライラさせられます。(US仕様のGEN3を使用しています。)
なにか早く表示をする方法ってないのでしょうか?
ハミンバードの魚探は、CPUの性能があまり良くないと聞きます。
処理能力が高くないため、画面の更新が遅かったり、フリーズしたりするようです。
日本仕様もUS仕様も変わりないはずで、根本的な解決方法はないと思います。
また、コンピューター機器の特徴として、熱がこもると性能が低下します。
そのため、長時間使用していると処理スピードがさらに遅くなります。
お薦めはしませんが、コールドスプレーなどで冷やすと多少改善されるかも知れません。(笑)
コメント失礼致します。
こちらの画像はUS仕様でしょうか?
またそうであれば水深と水温はメートル表記や摂氏表記に変更可能でしょうか?
魚探購入検討中でご教授いただけますと幸いです。
ゆうま 様
私の使用している魚探は正規輸入品の日本仕様で、
もちろんメートルや摂氏の表示が選べます。
US仕様の平行輸入品がどうなっているのかは把握していません。
魚探は高価であり、アメリカ製で故障の心配もあるので、
修理のことも考えて購入することをお薦めします。
(ハミンバード代理店、岡田商事の対応も問題はありますが)