バス釣りのテクニックの中に、ミッドストローリング(ミドスト)というものがあります。
バスプロを始めとして、いろいろな達人が紹介しているので、基本的なやり方はそういった方の動画等を参照してください。
今回は、私が個人的に実践している方法を紹介します。
ミドストとは
一言でいうと、一定のレンジをルアーを小刻みに震わせながら引いてくるテクニックです。
巻くフィネスとも呼ばれます。
中層にサスペンドしているバスが、クランクベイトなどの強い動きを嫌っているときに、よりナチュラルにアプローチすることでバイトを誘います。
名古屋の釣り人が行っていた、名古屋釣法というものから発展したと言われています。
ジグヘッドリグで行うのが一般的ですが、ラバージグやハードルアーを使うこともあります。
タックル
ミドストに重要なのはタックルです。
軽いルアーのシェイクを続けるのは、想像以上に難しい作業となります。
そのため、各社から専用のロッドが発売されています。
ファーストテーパーよりもレギュラーテーパー、パワーはウルトラライト、手元の小さな動きをロッドで増幅して、リズミカルにティップの振動が続くようなロッドが必要になります。
手首への負担を軽減するためにも、なるべく軽いリールと組み合わせます。
ただし、あまり小さいリールは、ライントラブルの原因となります。
私が使用しているのは、ロッドはシマノのエクスプライド265UL+、リールはシマノの19ヴァンキッシュ2500SHGです。
ラインはフロロカーボンの5lbを使います。
4lbを使ったらラインブレイクしたり、いいサイズのバスがいつまでも寄って来なかったりしました。
ルアー
基本は、ピンテールのワームに軽いジグヘッドを組み合わせます。
琵琶湖ではデプスのサカマタシャッドも良く使われています。
私は、OSPのドライブスティック4.5inや、HPミノー3.7inを主に使っています。ジグヘッドはリューギのヴェスパ(1/16ozフックサイズ#2)です。
リューギのヴェスパは、アイがフックに対して90°横を向いています。
このことで、ラインの結び目がズレず、ルアーアクションが安定するとうたわれています。
細軸フックで貫通力は高いのですが、フックが伸びたり折れたりするのが欠点です。
最初はリューギのヴェスパを使っていましたが、その後、ケイテックのスーパーラウンドジグヘッドに変更しました。
フックが通常の太さで、デカバスを釣っても伸びたり折れたりしません。
アイは普通の向きですが、釣果が下がったという実感は特にありません。
掛けた魚を確実に獲ることを優先しました。
ワームキーパまでタングステンで形成されていて、その分ヘッドが小さくなっています。
ただし、このワームキーパー部分が破損することがあり、耐久性はそれほど高くありません。
恐らく、フックのワイヤーがたわむことで、タングステンが折れるのではないでしょうか。
ジグヘッドの重さは、レンジによって変える方法もあるようですが、重さを変えると手元の感覚が変わるため、私は1/16ozで通しています。慣れるまでは同じウェイトを使うことをお勧めします。
私は1/16ozでやり続け、バスが浮いていると思うときに重さを軽くするようになったのは、だいぶ経ってからです。
ワームは大きい方が飛距離を稼げ、アピールもできます。
ただし、質量が大きい分シェイクの振り幅を大きくする必用があります。
ちょっとした差で、手首の疲労が大きく違ってくるので、長時間ミドストをするならあまり大きくないワームが適しています。
バスが食べているベイトの大きさに合わせた方がいい、という説もあります。
ロッドアクション
とにかく小刻みにロッドを上下に振り続けます。
ロッドを振る幅とスピードは、水面近くでルアーを操作しながら確認します。
ラインは張り過ぎないこと。
ロッドを上に振ったときに一瞬テンションが掛かってルアーが動くようにします。
ルアーを上下に動かすのではなく、横に倒れたワームがラインテンションで反対側に倒れ次のアクションでまた反対側へと、左右に連続的に倒れる動作を繰り返します。
ロッドを上にあおるというより、ロッドティップでラインを下に叩くようなイメージです。
ロッドは強く握らず、軽く指に乗せるようにします。
リール操作
ミドストで一番難しいのは、ルアーのレンジコントロールです。
リールを巻くスピードで、ルアーが泳いでくる水深が変わります。
つまり、ミドストの肝は、リールの巻き方にあるのです。
キャストしたら、カウントダウンして狙う水深まで沈めます。
その後ロッドをシェイクするのですが、リールを巻かなければルアーは底まで沈みます。
そこで、リールを巻くスピードで、ルアーの泳ぐレンジを調整します。
よく「糸ふけの分だけリールを巻く」と表現されますが、厳密にはそうではありません。
シェイクして引っ張られる動きより沈むスピードが速ければ、糸ふけ以上に巻かないとどんどん沈んで行きます。
逆もしかりです。
例えば、ルアーが真下にあれば、リールを全く巻かなくてもルアーはそれ以上沈みません。
ルアーが遠くにあればあるほど、一定のレンジを引くためには、リールを巻く量を多くする必要があるのです。
ボートが止まっているか、動いているかでももちろん違ってきます。
ここまで読んできたあなたは、恐らく途方に暮れていることでしょう。
一定のレンジを引くためには、どのくらいリールを巻いたらいいのか、全く分からないのではないでしょうか。
そうなのです、私も分かりません。(≧▽≦)
ここまでは理論の話です。
それでは、実践の話に移ります。
ミドストの実践
この手の微妙な感覚の釣りの宿命として、風が強いときは釣りになりません。
だいたい、ボートが1㎞/hで流されるような風が、私がミドストできる限界です。
ウルトレックスでボートをステイさせた方が、レンジコントロールには有利なのですが、あえてボートを微速(1㎞/h以内)で流しながらミドストをします。
理由は2つ。
- ピンスポットを狙わずに、より広い範囲を探る。
- 細かいレンジコントロールをしない。
風が微風で安定していれば、そのまま風でボートを流します。
風がほとんどなかったり、風向きが安定していないときは、ウルトレックスのオートパイロットを使用します。
進む方角とスピードを決めてボートを流します。
対地速度をコントロールする機能(クルーズコントロール)は、微速の場合スピードが安定しないため、スピードは数値(ダイヤルの1~2くらい)で設定します。
ウルトレックスのリモコン操作
- オートパイロット オン
ウルトレックスのヘッドが向いている方向にボートの進行方向を固定。 - 進行方向調整
◀、▶のボタンで、進行方向の左右を調整。 - スクリュー オン
- スピード調整
+でスピードアップ、-でスピードダウン。リモコン画面上の数値1~2くらいで調整。
キャストはボートの進行方向、風下へ。
ラインが風を横や斜めから受けると、抵抗を感じてルアーの操作感に支障が出ます。
カウントダウンは、底ギリギリまでは沈めません。
少し余裕を持って、中層でシェイクを開始します。
ボートを流しているため、ステイに比べてリールを巻くスピードは速くします。
一定のレンジコントロールは諦めて、少しずつルアーのレンジが下がっていくようにリールを巻きます。
リールを巻く手はハンドルを強く握らず、軽く添えるようにします。
釣るエリアはウィードフラット。
ルアーがボートまで来る間に、少しずつ沈んでウィードトップに届くように引きます。
引いている途中、どこかでバスがサスペンドしているレンジを通るイメージです。
もちろん、ボートを流すスピードによってリールを巻く速度を変えます。
この辺は、実際に試して試行錯誤してください。
浮いているベイトが確認できたときは、より浅いレンジを引いてみます。
バイトは、ラインテンションが掛かっていないので、ほとんどウィードと区別がつきません。
一定の抵抗を感じながら引いているときに、微妙に重くなる感覚です。
ラインを張って引っ張られればバイト、引かなければウィードです。
ミドストの勧め
ミドストでは、小さなワームを使っても、比較的良型のバスが釣れます。
タックルがライトなので、50クラスのバスが掛かればドラグが鳴りまくって引きを十分に楽しめます。
専用のタックルと、それなりのやり込みが必要ですが、得られるものは少なくありません。
ウィードが育って、掛けたバスに潜られる状況になると出番は無くなります。それまでの間、冬から春にかけて、たくさんのバスと出会うための有効な手段となることでしょう。冬から春はもちろん、ウィードが成長した夏や秋でも、エリアを選ぶことでミドストは有効です。
水面近くまでウィードが伸びたエリアでは釣りになりませんが、ウィードエッジ周辺でウィードトップから水面までの距離があれば、多くのバスをキャッチすることができるでしょう。
<取消し線及びイタリック部分は、2020年9月29日修正>
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