バスボートのバッテリーについての第3回です。
エレクトリックモーター用にリチウムイオンバッテリーの運用を開始しました。
リチウムイオンバッテリー
バスボート用のリチウムイオンバッテリーとしては、3つほど有名な物があります。
- リチビー(プロショップオオツカ)
- エヴォテック(㈱エヴォルテックジャパン)
- EV-CUBE(スリーグラウンズ)
それぞれの説明はここでは省略しますが、今回購入したのはそのどれでもありません。
もちろん、中華製の物でもありません。
ボートディーラーの㈱バスボートジャパンで購入しました。
トラッカーブランドとの話もありますが、そのような表示はどこにもありません。
仕様は、上記3つの中で比べるとEV-CUBEに一番近いでしょうか。
規格は36V、50Ah。
価格は充電器込みで、税込264,000円です。(高っ)
外観にこだわって造ったそうで、ミリタリーチックに仕上がっています。
重さは測っていませんが、M27MFの鉛ディープサイクルバッテリーと比べると、かなり軽いです。
片手で普通に持ち上げられ、運ぶのが苦痛ではありません。
仕様
サイズは、およそ縦18㎝×横35㎝×高さ28㎝です。(最大部分の寸法)
持ち運びしやすいように大きなハンドルが付いています。
電源のオン、オフスイッチがあります。
端子は直径8㎜、プラスは茶色でマイナスは黒の大きなネジになっています。
+と-表示のシールがそれぞれに貼ってあります。
端子のネジを外すとこんな感じです。
充電は専用の端子から行うため、接続の間違いを防止できます。
充電残量と電圧の液晶モニターが付いています。
ふたを開けると、
謎の黄色い物体が詰まっています。
ふたの裏は、
こんな感じです。
防水性に関する表示はありませんが、バスボートのストレージで使用する分には、問題なさそうです。
ボートに積んだところ
リチウムイオンバッテリーをバスボートに積んだ様子です。
M27MFの鉛ディープサイクルバッテリー3台、リチウムイオンバッテリー1台の構成です。
重量配分を考えて、この積み方となりました。
右舷側のシングルコンソールのため、なるべく右舷側を軽くしたいからです。
充電
鉛ディープサイクルバッテリー用のオンボードチャージャーでは充電できません。
専用の充電器を使用します。
出力37.8V、10Aです。
釣行後に家で充電するため、バッテリーを外して持ち帰らなければいけません。
これまではボートに積みっぱなしだったことと比べると、面倒になりました。
完全放電した場合の充電時間、理論上は
50Ah÷(37.8V/36V)÷10A = 4時間45分
といったところでしょうか。
充電中はブンブンとファンが爆音で回ります。
充電が終わると止まるとの話ですが、バッテリーの残量計が100%になっても止まりません。
ちょっと長めに充電してみましたが、過充電が怖いので止まる前に途中でやめました。
バッテリーをあまり使わずに(残量90%程度)充電すると、一瞬でバッテリーの残量計が100%の表示になります。
しかし、充電器を外すとまた充電前の残量表示に戻ります。
充電中は、バッテリーの残量計が上方修正されてしまうようです。
残量計が100%になったあとも、しばらく充電を続けることで100%の充電ができます。
使用感
容量
バスボートでエレキを長時間使い続けることはほとんどなく、もともとM27MFのバッテリーで容量が足りないと思ったことは一度もありませんでした。
このバッテリーは残量計が付いているためバッテリーの残量は一目瞭然、まる一日(11時間程度)の釣行でも20~30%くらいしか減りません。
強風でスポットロックを多用すればそれなりにバッテリーを消費しますが、このリチウムイオンバッテリー(容量50Ah)で足りなくなることはなさそうです。
パワー
気のせいかもしれませんが、なんとなくエレキのパワーが落ちたような気がしました。
M27MFのバッテリーだと、充電直後は13Vくらい出るようなので、3つ直列で使っていたときは39Vくらいになっていたからでしょうか。
でも、リチウムイオンバッテリーは電圧降下がほとんどないようなので、時間経過とともにパワーが落ちることはないのでしょう。
重さ
確かに軽くて持ち運びは楽です。
ただし、バスボートの場合は基本的に鉛バッテリーは積みっぱなし、釣行後はオンボードチャージャーで充電します。
バッテリーを交換するとき以外はバッテリーをボートから降ろすことはありませんでした。
一方、リチウムイオンバッテリーは充電のために、毎回ボートへの積み下ろしが必要です。
軽いとはいえ、ひと手間増えるのはデメリットです。
ボートの立ち上がりが良くなったか、という問いに対しては、正直なところ分かりません。
いままでプレーニングが遅いと思ったことは無いからです。
リチウムイオンバッテリーは買いなのか
目的に応じて個別のバッテリーへの評価は異なるので、ここではリチウムイオンバッテリーに対する一般論としてお話します。
レンタルボートユーザー
レンタルボートユーザーなら、軽いというメリットは計り知れないものがあるでしょう。
重たいバッテリーを運ぶことが喜びだ、という特殊な人でないならば、多少?のコストアップには目をつぶって導入すべきと断言します。
もちろん、使用頻度が低ければコストパフォーマンスが悪くなるため、最終的にはその辺りをどう考えるかだと思います。
バスボートユーザー
一方、バスボートユーザーの場合は事情が異なります。
不満がないなら
いま使っている鉛のディープサイクルバッテリーに不満がなければ、敢えて換える必要はないと思います。
コストアップに見合うだけのメリットはありません。
バッテリーの積み下ろしと、充電という手間が増えるだけです。
かといって、格安の中華リチウムは安全性に疑問があります。
火が出てバスボートを失いたくはありません。
電力不足の解消に
電力不足で困っているなら、十分にメリットがあります。
容量不足なら、容量の大きなM31MFに換える。
瞬発力不足なら、オプティマバッテリーに換える。
などの方法もあります。
しかし、バッテリー3台で36Vにしていたものを1台でまかなうという技は、リチウムイオンしかありません。
私もこの技を使うことで、魚探用のバッテリーを積むスペースを捻り出しました。
魚探の高性能化、大型化、複数化(多数化)に伴うバスボートの電力事情、これからはリチウムイオンバッテリーなしには語れない時代なのかもしれません。
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