もう少し早く記事にすればよかったのですが、今回はバスボートの保険について書いてみます。
保険の必要性
水上が路上ほど混みあうことはあり得ないので、他船との衝突の危険性は車に比べると低いかと思います。
しかし、琵琶湖の混雑状況を見ると、いつ事故が起きても不思議ではないくらいです。
もちろん、スピードの出るバスボートで事故が起きれば、大きな被害が想定されます。
また、水の上であるために、小さな事故であっても人命に関わる可能性は高まります。
更に湖には、船以外にも危険がたくさん潜んでいます。
定置網などの漁具への衝突、荒天による船の沈没、座礁やエンジン不良による航行不能などです。
保険に入ることで、事故が減る訳ではありませんが、万一の場合の金銭的負担を考えると、余程リッチでない限り保険に加入するべきであり、バスボートを保有する者の責任といえます。
保険制度
車と違って、ボートには強制保険の制度はありません。
あくまでも自己責任で、任意保険に加入することになります。
もちろん、車の場合も、自賠責保険という強制保険はありますが、追加で任意保険へ加入するのが当たり前なので、考え方はあまり違いません。
バスボートの場合、一般的に『プレジャーボート保険』と呼ばれている保険に加入することになります。
プレジャーボート保険
ボートのディーラーに相談すると、日本漁船保険組合が窓口となっている、『プレジャーボート責任保険』というパンフレットを渡されました。
てっきり、保険代理店を紹介されるものと思っていましたが、琵琶湖で最も多いのが漁船や漁具とのトラブルで、その方面の対応に長けている保険ということです。
窓口は日本漁船保険組合ですが、引き受け保険会社は、東京海上日動火災保険株式会社となっています。
パンフレットに入っている申込書を自分で記入して、送付をする仕組みです。
保険の担当者と対面し、詳しい説明を受けてから加入内容を決めるのではありません。
不安はありましたが、パンフレットをじっくり読んで、分からないことは電話で確認して、申込をしました。
保険の内容
基本的には、ボートの種類、重さ、エンジンの馬力で保険料が決められています。
『プレジャーボート(PB)責任保険』と『プレジャーボート(PB)総合保険』の二階建てになっている保険です。
基本的な部分を『PB責任保険』でまかない、付加的な部分を『PB総合保険』でカバーしています。
PB責任保険
保険の基本的な部分で、対人賠償、対物賠償、人命捜索救助費用、船体捜索救助費用が対象です。
対人賠償と対物賠償は、ぶつけた相手方の乗船者や船、漁網などの損害賠償に対する保険です。
人命捜索救助費用と、船体捜索救助費用は、自船の乗員の捜索や救助に要した船舶費用と、自船の捜索や救助に要した船舶費用に対する保険です。
自動車保険では、対人や対物の賠償額は無制限が一般的となっていますが、この保険では、4項目の合計を保険金額に設定します。
私の場合は、保険金額を2億円に設定しました。
PB総合保険
付加的保険の部分で、更にPB責任保険ワイド、PB船体保険、PB搭乗者傷害保険に分かれています。
PB責任保険ワイド
PB責任保険からはみ出た部分をカバーしています。
自船が沈没してしまった場合の撤去費用や、オイル漏れ等で水面を清掃する費用、捜索救助費用のうち船舶費用ではない費用(ヘリコプター、ダイバーなど)、陸上保管中に他者へ損害を与えた場合の賠償や、自船から落下した人をボートでひいた場合等の賠償費用を対象とします。
撤去費用は100万円、水面清掃費用は20万円、捜索救助費用は200万円、陸上保管中の損害賠償は3,000万円が保険金額です。
保険料は、5t未満のボートで一律4,000円です。
PB船体保険
いわゆる車で言う車両保険に該当します。
これを付けると保険料が跳ね上がります。
中古艇なら船体保険には入らないという選択もありますが、私の場合は新艇なので船体保険にも加入しました。
新価タイプと実損タイプがあり、
保険料は 新価タイプ:保険金額1,000円あたり20円
実損タイプ:保険金額1,000円あたり25円
バスボートの場合は、船体、エンジン、エレクトリックモーターが保険の対象となります。
中古艇は、経過年数に応じて、保険金額が下がります。
新価と実損の違いをよく理解していないのですが、安いのには理由があるはずです。
新価タイプは修繕で新品の部品と交換した場合に、その分上昇した価値を修繕費から差し引かれるということでしょうか。
(保険約款を読みましたが、私の頭脳では理解できませんでした。)
なお、驚くべきことに、全損の場合を除いて支払われる保険金は、修繕費用の70%となっています。
私は、保険料の安い新価タイプに加入しました。
PB搭乗者傷害保険
これは、自船に搭乗している人(運転者を含む)が、事故で死亡や傷害を負った際に支払われる保険です。
保険金額と、何名まで保険の対象とするかによって、保険料が決まります。
私は、保険金額1,000万円、医療保険日額10,000円、対象1名(自分のみ)で加入しました。
対象者を何名にするかは、複数で乗船する場合のある人は、悩むところでしょうか。
保険料
最終的な保険料は以下のとおりです。
名称 | 保険金額 | 保険料 | 備考 |
PB責任保険 | 2億円 | 24,700円 | モーターボート、5t未満、100~150馬力 |
PB責任保険ワイド | 4,000円 | 撤去100万円、水面清掃20万円など | |
PB船体保険 | 520万円 | 104,000円 | 新価タイプ |
PB搭乗者傷害保険 | 1,000万円 | 4,720円 | 対象者1名 |
計 | 137,420円 |
船体保険を除けば、妥当な保険料だと思います。
7割しか支払われない船体保険は、ぼったくり感否めませんが、初めてのバスボートで新艇ということで、止むを得ない出費でしょうか。
終わりに
バスボートに乗って約5カ月、いまのところ一応無事故で過ごせています。
船外機の底を湖底の何かにガゴーン事件はありましたが、大ごとには至りませんでした。
バスブームは昔の話かと思っていましたが、土日の琵琶湖を見る限り、バスボートで物凄いことになっています。
トリム調整が上手くできていないボートや、右側優先という水上交通ルールが守られていないボートも少なくありません。
乗っている車などを見ても、バスボートに乗っている人は裕福な方が多いかと思いますが、無保険のボートにぶつけられることを想像するのは恐ろしい限りです。
バスボートに乗るなら、しっかりと保険に加入して、責任を持ったバスボートライフを過ごしてください。
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