バスボートの購入(その1 免許の取得)

ヤマハボート免許教室の小型船舶免許送付書類 バスボート

バスフィッシングが好きな人であれば、必ず憧れるのがバスボートだと思います。でも、あのいかにもアメリカンな乗り物は、購入するのも、維持するのもかなりのお金を必要とします。よっぽど経済的に余裕のある人以外は、そんな理由から所有を諦めているのではないでしょうか。

車の話になりますが、使用頻度が低い場合は、タクシーやレンタカーを利用した方が、所有するよりもよっぽど経済的だと言われています。同じことが、バスボートにも当てはまります。週一程度の使用であれば、経済的にはレンタルボートを利用する方が賢いと思います。

私の場合、“琵琶湖でバスマスターになる”という計画上、バスボートの所有は必須でした。そこで、これからバスボートの所有を考えている人のために、少しでも参考になればと、順次、私の経験をお伝えします。

バスボートのための免許

まず、バスボートを運転するには免許が必要です。バスボートの運転に必要なのは、小型船舶免許の1級または2級になります。

<小型船舶免許の種類>

区分 航行区域 船の大きさ 受験資格年齢
1級 外洋 20トン未満 満17歳9か月
2級 平水区域および陸岸より5海里以内 20トン未満 ※1 満15歳9か月
湖川 湖・川および指定区域 5トン未満・エンジン出力15kW(20.4馬力)未満 満15歳9か月
小型特殊 海岸より2海里以内 水上オートバイ 満15歳9か月

※1 合格時に満18歳未満の場合は、満18歳を迎えるまでは5トン未満に限定される

バスボートの場合、航行するのは湖や川であり(平水区域)、大きさも5トンを超えるものはないはずです。ただし、エンジン出力は、100馬力以上あるのは当たり前なので、最低2級免許を所持していれば運転が可能です。

もちろん、2級よりも1級の方が試験が難しく、取得するための費用もかかります。将来、カジキマグロをトローリングで釣りたいなどの願望がなければ、2級免許を持っていれば十分ではないでしょうか。

ボート免許教室

私は小型船舶2級免許を取得するために、千葉県浦安にある、ヤマハのマリーナで、ヤマハボート免許教室を受講しました。学科は独学でも勉強できますが、実技は免許教室を受講しないと無理だと思います。

車の教習所と同様に、ボート免許教室もいろいろな事業者が実施しています。費用も事業者によって違います。ヤマハボート免許教室の費用は安い方ではありません。しかし、実績があり、安心できるという理由で選びました。

講習コースは、大きく分けて次の3つです。

  • 学科講習、実技講習があり、国家試験は学科のみで実技試験は免除
  • 学科講習、実技講習があり、その後国家試験(学科・実技)を受ける
  • 学科は教材のみ、実技講習があり、その後国家試験(学科・実技)を受ける

私は3つ目の、学科は教材のみで、実技講習を受けて、後日国家試験(学科・実技)を受けるコースにしました。学科の教材は、スマホやパソコンのアプリになっているコースです。国家試験の受験料金を含めて、全部で9万円くらいでした。

この教材のアプリ、練習問題や試験シミュレーションがあり、ゲーム感覚で学べて、試験対策にはもってこいです。でも、利用期間があるため、合格後に見直したい場合などに利用できません。船舶運航の細かい規則など、一度記憶しても、しばらくすると忘れてしまいます。その点、冊子になった教材であれば、後から見返すことができるので、紙も捨てたものではないと改めて思いました。

実技講習は1日がかりです。講師1人に生徒3人で、実際に国家試験で使用するのと、同型の船を使用して行います。同じ船に乗った人の中に、競艇学校の生徒さんがいました。競艇のボートにも免許がいるとは知りませんでした。
講習内容は、

  • ロープワーク
  • 出航前の点検
  • 離岸・着岸
  • 発進・停止
  • 後進、変針、蛇行
  • 人命救助

などです。この中で難しいのは、離岸・着岸と人命救助です。ちなみに人命救助は、ブイを人に見立てて行います。

会場のマリーナは河口に位置しているため、潮の流れの影響を受けます。また、当然ながら風の影響も受けます。初めてボートを運転して、そうそう上手くやれるものではありません。何度かチャレンジして、講習が終わるころには、なんとか形になるくらいにはできるようになりました。

国家試験

日を改めて、国家試験を受験します。会場は講習と同じマリーナです。午前中に学科試験、午後に実技試験です。

学科試験は全50問。65パーセント以上の正解で合格です。ただし、いくつかの科目に分かれていて、全ての科目で半分以上の正解が必要です。試験が終了すると、すぐに正解が張り出されます。さっそくスマホで写して、答え合わせをします。ふむふむ満点かな、よしっ。

実技試験は、試験官1人に受験者は9人でした。一度に3人の受験者しかボートに乗れないので、3つのグループに分けられました。1グループの試験に1時間半ほどかかるのですが、私は3番目のグループになってしまいました。待ち時間3時間です、(+_+)。

マリーナ近辺にはコンビニや喫茶店などのお店はありません。15分くらいかけて浦安駅前まで行かないと、時間をつぶすような場所はないのです。私は、マリーナの休憩場所で、実技試験のイメージトレーニングを繰り返しました。

3時間待って、ようやく試験開始です。講習のときと違って、強風が吹き荒れています。潮の流れも強そうです。嫌な予感がします(I have a very bad feeling about this.)。

人命救助です。前進、中立のシフト操作を小刻みに行い、慎重にプイに近づきます。今だっ、タイミングを計って、船尾へ移動してブイを回収します。あれれっ、ブイが見当たらない、失敗です。もう一度やり直して、なんとか回収に成功しました。

着岸です。風と潮でボートが流されます。進入角度を決めて桟橋に近づきます。シフト操作を慎重に行い、舵を切ります。桟橋と平行になるタイミングを見計らって、後進に入れボートの行き足を止めます。よしっ、船尾へ移動して、ボートフックを桟橋に掛けようとします。げげっ、届きません、失敗です。

流れがある場合、ある程度ボートのスピードを保たないと、舵が効かなくなります。その加減が初心者には難しいのです。ちなみに、同船した3人ともに着岸には失敗しました。

実技試験は不合格かもしれない、という失意のもとに帰路につきました。再受験となると、お金がかかるし日程調整も必要です。

結果

受験後、一週間程度で結果がネットで発表されます。期待半分、不安半分で検索です。合格でした。実技試験で同船した他の2人も、受かってました。

アドバイス

これから小型船舶免許を取得する人へ。

学科試験:とにかく教材を勉強です。合格基準が正答率65%なので、それほど厳しくありません。

実技試験:確実に点数を取れるところを押さえましょう。環境に左右されない、ロープワークと出航前の点検。ほとんど環境の影響を受けない、発進、停止、後進、変針、蛇行。これらで確実に点を取りましょう。たとえ人命救助と、離岸・着岸で失敗しても合格すると思います。

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