ワームは良く釣れるルアーですが、だいたい2、3匹も釣れば(時には根掛かりで)、フックで身が引き裂かれ、まともに使えなくなってしまいます。
価格が安いので、新しいのに取り換えれば済みます。
でも、ちょっとした努力で、資源の節約と、お財布にも優しい対応ができます。
ワームを修理しましょう。
理論的には、バスにかじられない限り、無限ワームとなるはずですが、現実は、2倍くらい長持ちすればいいといったところでしょうか。
方法はいくつかあります。
接着剤でくっつける
引き裂かれたワームの身を、接着剤でくっつけます。
セメダインスーパーXクリア超多用途がいいと聞いていたので、私もホームセンターへ買いに行きました。
でも、適当な大きさのその製品は売っていませんでした。
業務用的なビッグサイズは置いてあったのですが、さすがにそんな大量に使用する予定はありません。
そこで、同じような用途で作られた他社製品、コニシ㈱のボンドウルトラ多用途SUプレミアムソフトなるものを購入しました。
パッケージには、「プラスチックもOK」「曲げ・衝撃に強い」「水に強い」「硬化後は弾力のあるゴム状に」など書かれています。
まさにワームを修理するために作られたのではないか、と思えました。
家に帰って、さっそくワームを修理です。
付属のヘラは大き過ぎるので、爪楊枝を使いました。
接着剤を爪楊枝に少し付けて、ワームの裂けた部分に塗り込み接着すると、15分でほぼ固まります。
はみ出た接着剤がベトベトしますが、いい感じで修理できました。
ところが、修理したワームを使用してみると、2、3投しただけで、くっつけた部分が元のように裂けてきました。
身切れしたワームが一応くっつきますが、耐久性はほとんどありません。
元々、フックを刺したところに負荷が掛かって、ワームが裂けてしまっています。
修理後もフックを同じところに刺すために、最も負荷が掛かるのはワームの同じ個所になります。
一般的に、負荷が最もかかる個所が破損した場合、そこを接着剤で補修しても、同じところから破損します。
元の素材と同等以上の強度が出ないと、修理はほとんど無意味となります。
それでは、評判のセメダインスーパーXクリア超多用途なら、大丈夫なのでしょうか。
また、ワーム専用に作られたというspike-it fix-a-lureなる接着剤なら、きちんとくっつくのでしょうか。
本来であれば、検証すべきところですが、私は次の方法で満足してしまったので、今のところ疑問のままになっています。
ライターで炙って溶かす
ワームの素材は、熱を加えると溶けます。そこで、ライターで炙って溶かしてくっつけます。
私が使っているのは、新富士バーナー㈱のスライドガストーチというターボライターです。
sotoというメーカーが作っているそっくりな物もありますが、こちらの方が値段が安いのでお薦めです。なお、SOTOという名称でそっくりな製品が存在します。
SOTOは新富士バーナー㈱が展開しているブランドの一つで、中身は一緒と思われます。
<2020年6月20日修正>
また、スライドガスライターという、価格の安いそっくりな商品がありますが、こちらは普通のライターなので、間違えないよう気を付けてください。
このライターは、
・火の出るノズルが伸び縮みする
・ターボライターなので炎が真っ直ぐに出る
・炎の勢いを調節できる
・安全装置の解除を固定できる
・ガスの再充填で繰り返し使用できる
といった特徴があります。
<2022年6月20日追記>
マイクロトーチACTIVEという製品があり、こちらの方がお薦めです。
スライドガストーチとの違いは
・ノズルが伸びない
・ノズルが斜め
・開閉式キャップ付き
・安全装置無し
です。
スライドガストーチに比べて故障が少ないです。
スライドガストーチは、ある程度使用していると点火が悪くなります。
これはノズル伸縮機構が影響していると思われ、マイクロトーチACTIVEではこれまでのところ問題ありません。
更に斜めのノズルはワームを炙るのに好都合です。
使用していないときはキャップを閉めると安全です。
そのため点火ボタンのストッパーである安全装置はありません。
<追記ここまで>
ターボライターの炎は、ライターを向けた方向へ、バーナーのように真っ直ぐに炎が出ます。
“炎が真っ直ぐに出る”はワームの修理にとって重要です。
一般のライターは“炎が上に出る”ため、ライターを横に向けて火を付けても、炎は上に向かい、持っている手を火傷します。
一方、ターボライターは“炎が真っ直ぐに出る”ために、横や下に炎を出せ、狙ったところを熱することができます。
ワーム修理の手順は、
1 安全な場所の確保と必要な物の用意
火を扱うので、燃え移るものがない場所を確保します。
私の場合、台所の流し台の脇で行っています。
お菓子の缶の蓋(作業をする台として適当な大きさのもの)、ターボライター、ピンセット、修理するワームを用意します。
2 ワームの裂けた部分をライターで熱する
ワームの表面だけ溶かしても、またすぐに裂けてしまうため、まずピンセットでワームの裂けめを開きます。
裂けめの中を目掛けて、ライターの炎を当てます。
ノズルを適当に伸ばし、炎の勢いは最小にします。
炎の向きは、体から遠ざかる方向にしないと火傷します。
炎を当てすぎると焦げるので、気を付けます。
3 仕上げ
炎を当てたら素早く、ワームを外側から手で押さえてくっつけます。
炙った部分を触ると火傷するので気を付けます。
仕上げにワームの表面にライターの炎を当てて、裂けめをうまく溶かします。
その後、熱を冷まして完成です。
ワームが溶けないとくっつかないので、どうしても炙り過ぎて焦がしてしまうことがあります。
また、細かい作業は難しいです。
しかし、溶かしてくっつけた部分は、ほぼ元の強度に近い状態になります。
<2020年7月20日追記>
補足
ワームの頭部分の修理について。
この部分は、オフセットフックのクランク状になっている部分や、ジグヘッドのワームキーパーなどで、ぐずぐず、ゆるゆるになってしまいます。
ピンセットを使っても、なかなかワーム内部まで火で炙ることができません。
そのため、修理してもまたすぐにフックがずれてしまうことが多々あります。
そんな場合は、あえてワームを切り裂いて修理します。
ワームの穴が開いてゆるゆるになった部分、ここを小さなハサミでチョキチョキと切り裂いてしまいます。
切り裂くことで、破損した部分に確実にライターの炎を当てられるようになります。
ワームを切り裂いても炙ればくっつくため、ほとんど問題ありません。
少し勇気はいりますが、騙されたと思ってやってみてください。
はんだごてで熱して溶かす(未確認)
これは私にとって未知の世界ですが、一番いい方法かもしれません。
ライターの炎は温度が高すぎて、ワームが焦げてしまうことがあります。
一方、はんだごてには、温度を調節できる製品があります。
それなりの値段はするようですが、ワームが溶け出すギリギリの温度に調節できるなら、焦げる心配はなくなります。
しかも、溶かしたい部分を確実に、ピンポイントで溶かすこともできそうです。
不安な点としては、
1 はんだごての温度範囲に(200℃~500℃くらい)、ワームを溶かす適当な温度が含まれているのか。
2 はんだごての先端を直接ワームに当てるため、溶けたワームがその部分にくっついて、うまく修理できないのではないか。
といったところです。
これは、今後の宿題としたいと思います。
実際にはんだごてで修理をしている人もいるようですが、温度調節機能つきのはんだごてを使用している人の情報がありません。
どなたか教えていただけると、助かります。
ワームを修理して、環境にやさしいバスフィッシングを心掛けましょう。
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