右ハンドルか左ハンドルか

シマノのリール、バンタムMGL・PG、右ハンドル タックル、テクニック

ベイトキャスティングリールを購入するときに議論となることの一つに、右ハンドルか左ハンドルかという問題があります。

好み⁉

この問題には、こだわりを持っている方も少なからずいるようです。

状況に応じて、長所短所がありますが、いずれも克服できない短所ではないと思っています。
そのため、少し前までの私なりの結論は、「どっちでも好きな方を使えばいいんじゃないの」でした。

ちなみに、今私が使っているベイトリールは、全て右ハンドルです。(2019年6月15日現在)
これは最初に購入したリールが右ハンドルだったからです。
慣れている右ハンドルを、わざわざ左ハンドルに変える必要性は感じませんでした。

考察

右ハンドルと左ハンドルの長所、短所を考えてみます。
なお、大前提として、右利きの人が右手でキャストする場合とします。

以下の4項目について、考察します。

・巻きやすさ
・巻き始めの速さ
・手返し
・ロッドワーク

巻きやすさ

もちろん、利き手で巻く右ハンドルの方が有利です。

ただし、あの単純な動作を左手でできないかというと、そんなことはありません。
慣れてしまえば、問題ないと思います。

ある有名な方が「でも、利き手ほどスムーズに巻けないでしょ」と言っていましたが、練習次第で克服できると思います。

巻き始めの速さ

バズベイトをキャストするときに議論となる点です。

放置すれば沈むため、着水と同時にリーリングを開始すべきバズベイトには、左ハンドルがいいと言われます。

バズベイトはトップウォータールアーなので、リールをパーミングする必要があまりありません。(パーミングの必要性については、後の項目で詳しく述べます)
そのため、キャストした右手はグリップを握ったままの状態で、左手でハンドルを巻き始められる左ハンドルが有利となります。

ただし、右ハンドルであっても、ルアーが飛んでいる間に左手をリールに添えてパーミングすれば、着水直後に右手で巻き始めることができます。

手返し

パーミングをするかしないかで、大きく変わります。

パーミング

パーミングとは、「リールを包み込むように手で持ってロッドを支えること」です。

パーミングの利点は2つ。
・感度
・バランス

感度

ルアーからの反応は最初にラインに伝わります。
次にラインと接触しているロッド、リールに伝わります。

素材の剛性が高い程、振動伝達の損失が少なくなります。
リールは明らかにロッドより剛性が高いので、パーミングによってリールに触れている方が、ルアーからの情報をより多く得られます。

ただし、振動がリールに伝わるまでに、ロッドのガイドにラインが接触しているため、その間に情報の損失があるとも考えられます。
いずれにしても、パーミングをしていると、リールとロッドの両方に触れているので、グリップを握ってロッドだけに触れているよりも、情報量は多くなります。

また、パーミングをしていると、ラインに直接触れることも可能です。

バランス

タックルの重心の問題です。

ロッドにリールをセットすると、タックルの重心はほぼリールの位置となります。
そのため、パーミングでリールを包み込みように持つことは、バランスを考えても理想的な持ち方といえます。

手首への負担軽減となり、あわせでも効率的に力を伝えられます。

パーミングをしない

パーミングをしないのであれば、圧倒的に左ハンドルが有利です。

右ハンドルの場合は、キャストからリーリングの際は右手から左手へ、リーリングからキャストの際は左手から右手へ、いずれもロッドを持ち替える動作が必要だからです。

パーミングをする

しかし、パーミングをするなら、逆に右ハンドルが有利となります。

右ハンドル
右手でキャスト→左手でパーミング→右手でリーリング

左ハンドル
右手でキャスト→左手に持ち替える→右手でパーミング→左手でリーリング

このように、左ハンドルでは一手間余分な動作が必要となります。
リーリングからキャストに移る際も同様です。

ロッドワーク

利き手で操作できる、左ハンドルが有利です。

ただし、そこまで繊細なロッドワークが必要とされる場面はあるでしょうか。
ジャークベイトやトップウォーターのロッドワークは、左手で十分に可能です。
ソフトベイトのシェイキングやリフト&フォールも、右手でなくても操作できます。

本当にフィネスが必要となった場合は、スピニングタックルを使用します。
スピニングタックルは当然ながら一般的に、左ハンドルとして右手で操作するので、繊細なロッドワークが可能です。<2020年9月21日修正>

ベイトタックルで右手を使いたい場合は、底のカバーに引っ掛かったソフトベイトやラバージグが、なかなか外れないときでしょうか。
最大のバイトチャンスともいえる状況で、根掛かりしてしまうとノーチャンスとなってしまうからです。

右利き、左手キャスト、左ハンドル

このように、右ハンドル、左ハンドルともに、状況によって一長一短があるので、それを理解した上で好きな方を使えばいいと思います。

なお、左ハンドルの手返しにおける短所を克服するために、利き手ではない手でキャストするというアプローチもあります。

最も効果的な方法は、「右利きの人が、左手でキャストをし、左ハンドルのリールで巻く」ことではないでしょうか。

体への負荷

ここまでの話は、バスフィッシングを趣味でやっていて、多くても週に2日、休日に釣りに行く程度の人に当てはまります。

しかし、釣りを職業にするなど、釣行日数が趣味の範疇を超えてくると、肉体への負担を考慮する必用が出てきます。
もちろん個人差や年齢による違いはありますが、特定の動作を繰り返し行うというバスフィッシングは、想像以上に体へ負荷がかかります。

私の場合は、左手でロッドを支えることが困難となっています。
まさかロッドを支える動作が、ここまで負担となるとは思いませんでした。
バスプロの中にも、そのような事情で左ハンドルにリールを変更した人がいると聞いています。

具体的には、指の腱鞘炎による痛みと握力低下です。
バスを掛けてファイトしているとき、抵抗が大きなディープクランクやマグナムクランクを引くとき、ジャークベイトなどのロッドアクションをするときが特に問題となります。

これまで、こだわっていないようでこだわってきた右ハンドルですが、ここに来て左ハンドルの必要性を痛感しています。
ただし、全て左ハンドルとすると、今度は右手の負担が過度になるため、巻物系限定で左ハンドル機の導入を検討中です。

この記事作成後、巻物用リールは左ハンドルに変更しました。<2020年9月21日追記>

楽しいはずのバスフィッシングで体を壊しては、元も子もありません。
皆様におかれましては、無理のない範囲でのバスフィッシングライフをお過ごしください。

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