ボートを新艇で購入して6年が経過しました。
ピカピカだった新艇も6年経つとあちこちに傷が目立つようになります。
船舶検査証の有効期間が終了するので、小型船舶検査の定期検査を受けました。
検査制度と手続き
基本的な手続きは3年前の中間検査と変わりません。
検査制度や申請方法などの詳細は、「はじめての船舶検査」の記事を参考にしてください。
中間検査は3年目の前後3ヶ月の間に受けられますが、定期検査は6年目の前3ヶ月以内に受けます。
6年が経過して船検切れとなった場合でも、申請して検査を受け合格すれば船舶検査証が交付されます。
もちろん船検切れの間はボートに乗ってはいけません。
35Vを超える電気設備
船舶検査の案内書類に気になる記載がありました。
「以下の設備を搭載されている場合は、サービスステーション等で整備や試験が必要となります」となっていて、列挙されている設備の中に
『供給電圧が35Vを超える電気設備』
と書かれています。
マイボートのウルトレックスは36V仕様です。
ただ、中間検査のときは書類に書いてあることに気が付きませんでした。
検査のときも何も指摘はありませんでした。
この3年間で何か検査内容が変わったのでしょうか。
慌てて小型船舶検査機構の大津支部へ電話をして確認します。
支部長に対応していただき、いろいろ説明を受けましたが、ちょっと内容が難しくて良く理解できませんでした。
屋形船などで、発電設備を備えて照明などへの配線をしている場合、その配線に問題がないかを試験するような事を話していました。
結論から言うと、バスボートのトローリングモーターは除外されます。
リチウムイオンバッテリー
ライブスコープの普及に伴って、ここ数年でリチウムイオンバッテリーを搭載するバスボートが急激に増えました。
ご存知の方も多いでしょうが、以前はリチウムイオンバッテリーを載せていると船舶検査に合格しませんでした。
粗悪なリチウムイオンバッテリーは火災が発生するからでしょうか。
実際に「あるメーカーのリチウムイオンバッテリーが充電中に発火してバスボートが燃えた」という噂を聞いたことがあります。
現在では、船舶検査対応とうたわれているリチウムイオンバッテリーが数社から販売されています。
購入すると、その証明書が同梱されているそうです。
私が使用しているリチウムイオンバッテリーは2つありますが、どちらも船舶検査対応ではありません。
中間検査を受けたときは、このことを全く知りませんでした。
安全のために、リチウムイオンバッテリーは毎回ボートから降ろし、自宅で充電しています。
釣行時に積むので、検査当日はボートにリチウムイオンバッテリーを積んでいませんでした。
日頃の行いが良いからでしょうか、常時積載しているクランキング用と緊急用の鉛バッテリー2個の状態で船舶検査を受けたため、何も指摘されませんでした。
前回は知らずにリチウムイオンバッテリーを積まないで合格しました。
今回は非対応のリチウムイオンバッテリーを積んでいたら合格しないことを知っています。
さて、どうしたものでしょうか。
前回同様に、鉛バッテリー2個の状態で検査を受ければ合格するかもしれません。
ただ、検査員もここ数年でいろいろ経験して、疑問に思う可能性はあります。
そして36Vのトローリングモーターの件で検査機構へ問い合わせをした際には、船舶番号を聞かれました。
バッテリー2個では足りないことを把握されていたらアウトです。
丁度このタイミングで、クランキングバッテリーが劣化してきました。
大会でライブウェルを使用したら、メインバッテリーの電池切れでエンジンが起動しないことがあったのです。
そのためメインバッテリーは、新品のボイジャーバッテリーに交換したばかりです。
ついでに緊急用のバッテリーも新品に交換しました。
今まで使っていたバッテリーも全く使えない訳ではないので、合計で4つ鉛バッテリーが揃いました。
船舶検査の際には、鉛バッテリーを4つ載せて配線をし直す、これで対策はばっちりです。
検査前の整備
自主点検をしっかり行っていると船舶検査がスムーズに進行します。
そこで、エンジン稼働700時間の定期点検を、検査前のタイミングでボートディーラーにお願いしました。
点検内容はオイル交換などの消耗品交換と、エンジンのシステムコンピュータのチェックです。
検査の1ヶ月前くらいに点検してもらえたらと思っていたところ、たまたまディーラーのチェック用コンピューターが故障しており、直るまで少し時間をくださいということになりました。
点検が間に合わず、船検切れとなるのではと焦りましたが、なんとかギリギリのタイミングで点検をしてもらうことができました。
調子が悪かったホーンの配線も点検でチェックしてもらいました。
前日準備
いよいよ検査の前日です。
釣行を早めに切り上げて検査の準備を行います。
その日は強風で琵琶湖がめちゃくちゃ荒れていました。
マリーナへ戻ってくると配線を直してもらったはずのホーンが鳴りません。
今回は部品交換をせずに応急処置ということだったのですが、ボートが波で叩かれてまた配線がズレてしまったようです。
直してもらう前と同様に、コンソール下の配線束を上に押し上げると、とりあえず復活します。
検査のときには鳴りますように。
そしてバッテリーを入れ替えます。
鉛バッテリーはやはりめっちゃ重たいです。
あまりこういう作業はしたくないと思いました。
久し振りの鉛バッテリー4個積みです。
検査当日
検査員との待ち合わせ時間よりもかなり早めにマリーナへ行きます。
ボートカバーを外して、法定備品をデッキ上に並べなければなりません。
晴天の予報だと思っていたら、小雨がパラついています。
しかもかなり寒いです。
ホーンが鳴るのを確認して、鳴らなくならないように祈ります。
検査員が到着して、いよいよ検査の開始です。
ボートやエンジンの外観チェック、刻印の確認、法定備品の確認などを行います。
膨張式救命胴衣で指摘がありました。
ボンベ部分の部品が少し緩んでいて、赤い印が出ていたのです。
部品をしっかりねじ込むと、無事に赤が緑へ変わりました。
もし問題があったとしても、膨張式ではない救命胴衣で必要数は満たしているので、なんとかなったとは思います。
ホーンは無事に鳴り、船舶灯の点灯も問題ありません。
ステアリングがスムーズに動くことを確認してもらいます。
急発進防止装置に問題はないか聞かれました。
事前に提出した「自主整備点検記録」にも、急発進防止装置の項目がありましたが、良く分からす空欄で提出していました。
どのような物か尋ねると、ギアが入っている状態でエンジンが始動できないようにする装置ということでした。
実際にギアを入れて、エンジンキーを回してみます。
エンジンは掛からず、これで確認OKです。
最後に1つ指導が入りました。
「船舶検査済票」と「次回検査時期指定票」の貼付け位置についてです。
船体の外側へ貼るようにと言われてしまいました。
無事に検査は合格しました。
検査証は翌日の午後には新しいものが出来上がるので、大津支部まで受け取りに行くことにします。
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