K-CUSTOMライブスコープローテーターを使ってみた

バスボート

K-CUSTOMのローテーターを使用したレビューです。

ローテーターでできるようになること

一言で言うと「トローリングモーターの動きと分離してライブソナーの向きを変えられる」です。
具体的には以下のことが可能になります。

  • アンカーロック中に特定のスポットを見続けられる
  • クルーズコントロールしながら好きな方向を見られる
  • ライブソナーの精度が上がる

もう少し詳しく説明すると。

アンカーロック中に特定のスポットを見続けられる

ボートを一定の場所に留めるアンカーロック中にトローリングモーターのヘッドが動いても、ライブソナーの振動子が一緒に動くことはありません。
うまくローテーターを操作することで、狙っているスポットをライブソナーの画面で見続けられるようになります。
これによって、アンカーロックでボートポジションを固定して、ルアーの位置を調整したり、バスの反応を見ながらルアーを動かすライブシューティングが可能となります。

クルーズコントロールしながら好きな方向を見られる

トローリングモーターには、一定のスピードで決まった方角にボートを進める機能、通称クルーズコントロールが備わっています。
ローテーターを使用すると、クルーズコントロールに関係なくライブソナー振動子の方向を決められます。
クルーズコントロールでボートを進めつつ、あらゆる方向をライブソナーで見られることで、効率良く魚を探せます。

ライブソナーの精度が上がる

オプションのパーツが別途必要となりますが、ライブソナーの精度を上げることもできます。

ガーミンのライブスコープでは、トローリングモーターのシャフトに振動子を設置するマウントは、ビームの方向が直下から外側に8°ずれるよう設計されています。
これはビームがモーターハウジングと干渉するのを防ぐためですが、その結果として真下や真正面から8°ずれた位置の映像が表示されます。
ビーム幅が20°あるため、真下や真正面の情報も含まれてはいますが、正確ではありません。

ローテーターへ振動子を取り付ける場合は、モーターハウジングの干渉を気にする必用がなく、真下に向けて振動子を設置しても問題ありません。
8°の角度が付いていないオプションパーツのマウントを使用することで、ライブソナーで真下と真正面をより正確に映すことが可能となります。

このオプションパーツを購入するかは今のところペンディングとしています。

操作性

上げ下ろし

トローリングモーター(ウルトレックス)の上げ下ろしがめちゃくちゃ重くなります。
ローテーターの重量は正味5㎏くらいとのことですが、想像以上にトローリングモーターの上げ下ろしがしんどくなりました。
最新のウルトレックスクエストなど、強化ダンパーが採用されているトローリングモーターは、上げ下ろしが楽になっているようです。
しかし、初期のウルトレックスではかなりのパワーが必要です。
トローリングモーターを引っ張り上げる紐がかわいそうになります。

コントローラーの感度

ローテーターが回転するスピードが早過ぎて方向の微調整が難しいです。
回転スピードはギア比次第でどのようにもできる部分です。
仕様の決定において、素早く動かすことの方が、細かく動かすことよりも優先されたのでしょうか。
慣れることで解決すればいいのですが、どうなることでしょう。
細かな操作が苦手な足のコントローラーなので、もう少し反応が鈍くてもいいのではと思いました。

ひょっとして、魚探用のバッテリーが15Vで電圧が高いからスピードが速いのかもしれません。
通常使われている12Vのバッテリーなら、もう少しスピードが遅くなる気がしてきました。

回転範囲

左右に180°ずつ、ほぼ360°全周囲に回転します。
厳密には微妙に360°に足りませんが実用は十分です。

ただし、ライブスコーププラス(LVS34)に付属しているパースペクティブマウントを使用すると、トローリングモーターのシャフトに干渉して、可動域は約2/3程度になります。
詳細は「ライブスコーププラス振動子のマウントを交換する」の記事を参照してください。

その他

コントローラーの位置

現状はコントローラーを固定していません。
コントローラーをどこに設置するかは重要になります。
どの位置が使いやすいのか、実際に使用する前に決めるのはなかなか難しいものです。
ボートデッキの広さ、ロッドの置き場所、普段どのように釣りをしているかによって変わります。

今のところ、トローリングモーターのフットコントローラー右横に、ローテーターのコントローラーを置いています。
バウのチェアに浅く腰かけながら、トローリングモーターは左足で、ローテーターは右足で操作しています。

ローテーターのコントローラー

ある程度慣れてきてベストポジションが決まったら、デッキ上にコントローラーを固定した方がいいかもしれません。

走行時の対策

ローテーターをボート上に引き上げたときは、スタビライザーでローテーターのシャフトを受けることになります。
波のあるときにボートを走らせると、シャフトがスタビライザーの上でバタバタと暴れて、そのままではすぐに壊れるのではと不安になりました。

ローテーターのスタビライザー

うまく固定できないかと考えて、ロッドを購入した際に付いていたロッドとグリップを束ねるバンドを使ってみました。
伸縮性があって、巻きつけたあとに両面ファスナーで固定できる物です。
2本のバンドを適当な長さに切り、端を縫い付けてL字型の固定用具を作成しました。
短い部分をスタビライザーの支柱に巻き付け、長い部分でローテーターシャフトをスタビライザーに固定します。

ロッドに付属のバンドは耐久性に難があったので、その後バンドを別途購入して作りなおしています。
サイズを調整して作れば、伸縮性がないバンドでも問題ありません。

コントローラーもどこかに固定する必用があります。
試しにトローリングモーターのケーブルにバンドで束ねてみたところ、走行中にブラブラしてその内にどこかへ飛んで行きそうでした。

コントローラーをトローリングモーターのケーブルに束ねる

そこで魚探の架台へ固定することにしました。
まずコントローラーの底へ薄いラバーシートを貼って、架台に置いたときに密着するようにします。
それを伸縮ベルトで架台に固定すると、どんなに荒れても微動だにしなくなりました。

ボートカバーへの影響

ローテーターはトローリングモーターよりもさらに立体的に張り出す構造物です。
レンジャー純正のボートカバーはかなりピチピチで、これ以上出っ張りがあると許容範囲を超えるのではないかと思っていました。
ボートカバーの買い替えも覚悟の上でローテーターを導入しました。
しかし、心配していたボートカバーへの影響は少なく、どうにかゆとり部分で吸収ができ、ボートがカバーからはみ出すようなことはありませんでした。

ボートカバーの出っ張り

ローテーター設置を理由にボートカバーを買い換える必要はありませんでしたが、ボートカバーそのものの劣化のため、その後カバーを新調することにしました。

結局必用なのか?

それで結局ローテーターは必用な装備なのでしょうか。

今のところ、まだライブシューティングでバスを釣っていませんし、直接釣果に繋がったといえるものはありません。
それでも、アンカーロックをしながら周囲360°をライブソナーで確認できるのは、間違いなく便利です。
強風のときなどは、一瞬アンカーロックを解除するだけで、あっという間にボートが流されてボートポジションが動いてしまいます。
ボートポジションを確保しつつ魚を探せるのはありがたいことです。

ただし、船体にとっては余分な重量物は無いに越したことはありません。
購入費用も20万円以上かかります。
あった方がいい止まりか、それとも無いと困るレベルなのかは、もうしばらく様子を見て判断したいと思います。

一つ言えることがあるとすれば、
「ローテーターを導入するなら強化ダンパー仕様のトローリングモーターとのセットがお勧め」です。
ちなみに、新型ウルトレックスとローテーターを同時に装備したら100万円コースになります。

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