今回は、ハミンバードの魚探ヘリックスシリーズを2台以上使用して、等深線マップデータを保存するためのAUTO CHART Zero Line MSD(ゼロラインカード)も2枚以上使用する場合の、注意点などについてです。
ゼロラインカードの基本的なことについては、前回の記事を参照してください。
問題点
ヘリックスシリーズの魚探は、バスボートのバウとコンソールに1台ずつ設置していても、オートチャートライブ(等深線マップ作成機能)のデータはネットワークで共有できない仕様です。
そのため、同じマップデータの入ったゼロラインカードを、2台の魚探で同時に2つ作ることはできません。
そこで、当初私がとったのは、1枚のゼロラインカードを差し替えて利用するという方法でした。
マップの作成と記録はコンソールの魚探で行い、釣りの際にはゼロラインカードをバウの魚探に差し替えて、そのデータを利用します。
しかし、このようにゼロラインカードを頻繁に抜き差しすることで、ある問題が生じました。
記録データの破損です。
ゼロラインカード内に記録されているデータが破損し、オートチャートライブのデータをゼロラインカードに記録できなくなる、という症状が多発しました。
パソコンで直接ファイルを操作することで、再び記録できるようにはなるのですが、現場で記録できなくなるのは困りますし、復旧作業も面倒です。
複数枚使用する
ある程度マップデータが蓄積されたということもあるのですが、今ではゼロラインカードを2枚所持して、バウとコンソールの魚探それぞれに差しっぱなしで使っています。
こうすることで、カード内データの破損という問題からは解放されました。
ただ、2台のヘリックスでオートチャートライブのデータを共有できないという、根本的な問題は変わらないため、カードの運用には工夫が必要です。
具体的には、以下のとおりです。
- マップの作成は、コンソールの魚探のみで行う。
- その日作成したマップを参照しながら釣りをするのは諦める。
- 新規作成したマップデータは、次回釣行までにバウのカードにコピーする。
バウとコンソールそれぞれの魚探でマップを作成してしまうと、マップデータが入り乱れて収拾が付かなくなります。
そこで、マップの作成は、コンソールの魚探に限定します。
当然ですが、その日作成したマップデータを、バウの魚探では見ることができません。
また、バウのゼロラインカードに新規マップデータを反映させるため、毎回釣行後はデータのコピー作業が必要となります。
データのコピー
コンソールの魚探で作成したマップデータを、別のゼロラインカードにコピーする具体的な方法について説明します。
元になるマップデータが、パソコンにバックアップしてあることを前提に、話を進めます。
バックアップのやり方は、前回の記事を参照してください。
新しいゼロラインカードを追加で購入したとき
新規のゼロラインカードに、既存のデータをコピーする方法です。
パソコンに保存してある最新のバックアップデータから、ファイルを全て選択してコピーし、新しいゼロラインカードの『ACDATA』フォルダに貼り付けます。
こうすることで、同じデータの入ったゼロラインカードが2つ出来上がります。
新たにマップデータを追加記録したとき
コンソールの魚探でオートチャートライブを追加記録した場合に、バウの魚探で使用しているゼロラインカードに追加のマップデータをコピーする方法です。
コンソールの魚探で使用してるゼロラインカードをカード①、バウの魚探で使用しているゼロラインカードをカード②として説明します。
全データの書き換えは避ける
カード①のデータを丸々カード②のデータに置き換えるという方法も考えられます。
しかし、記録媒体としてのSDカードの特性上、あまり頻繁にデータの書き換えを行うと、SDカード自体の寿命によってゼロラインカードが使用不能となる恐れがあります。
1つ2万円するゼロラインカードを、短い期間で買い替えることはなるべく避けたいものです。
そこで、カード①に追加で記録されたデータファイルだけを選択して、カード②にコピーするという方法をとります。
バックアップはカード①で
データのバックアップは、常にカード①のデータで行います。
バックアップデータの比較
最新のバックアップデータと前回のバックアップデータを比較します。
「更新日時」の新しいものが上に来るように並び替えをして比較して、前回よりも日時が新しいデータが、コピーすべきファイルです。
追加データを選択してコピペ
追加(更新)されているデータファイルをコピーして、カード②の『ACDATA』フォルダに貼り付けします。
更新されたデータは、貼り付ける際に同じ名称のファイルを上書きすることになります。
通常は、『INDEX.AIC』ファイルのみ上書きします。
ただし、魚探でオートチャートライブデータの削除などをした場合は、そのファイルが更新されるのでそれも上書きします。
まとめ
ハミンバードの魚探を3台以上使用する場合でも、オートチャートライブを記録する魚探をどれか1台に限定すれば、今回の方法で運用することができます。
その日記録したマップデータをどうしても釣りで利用したい場合は、カードを差し替えることで利用可能です。
ただし、カードの抜き差しが多くなると、その分データの破損リスクが伴うことを覚悟してください。
また、雨の日にカードを抜き差しすることは、魚探そのものの故障にもつながりかねないため、あまりお勧めできません。
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