スピナーベイトの欠点
根掛かりのしにくさ、表層からディープまで対応できる汎用性、手返し良く広範囲に探れるサーチベイトとしてスピナーベイトはいろいろな場面で活躍します。
もちろんいい事ばかりではなく欠点もあります。
バスがスレやすいこと、そして最大の問題はその保管方法です。
その形状ゆえに、通常のタックルボックスではコンパートメントが小さくて入りません。
適当なサイズのスペースがあっても、そこにスピナーベイトを重ねて入れてしまうと、取り出すときにルアーを選ぶのが難しくなります。
下の方へ積まれたスピナーベイトは、そのまま存在が忘れ去られる危険性もあります。
スピナーベイトの保管方法
そのため、世間ではスピナーベイト専用ケースなるものが販売されています。
大きく分けて2タイプ存在します。
- ハードケースタイプ
仕切板にスリットが入って、そこにスピナーベイトのワイヤーを引っ掛けて縦に収納するタイプ
利点はパッと見てスピナーベイトを選べる
欠点はケースのサイズ感が他のボックスと異なる - 収納バッグタイプ
スピナーベイトサイズのビニールケースを綴ってファイル型のバッグにしたもの
利点はサイズがコンパクトである
欠点は濡れたスピナーベイトが乾かない
このように、それぞれ一長一短です。
これまでは、A6サイズの透明なソフトカードケースにスピナーベイトを入れて、それをソフトタイプのタックルボックスに重ねて入れるという方法をとって来ました。
こうすることで、収納バッグタイプのケースをわざわざ購入する必要性は感じませんでした。
ただし、収納バッグタイプの欠点である、濡れたスピナーベイトが乾かない問題には悩まされていました。
なお、サイズ感の異なるケースを追加することは、バスボートのストレージ収納問題が新たに発生することになります。
そのためハードケースタイプの導入は、個人的にかなりハードルが高くなります。
スピナーベイトケースを自作する
長年の懸案であったスピナーベイト収納問題を解決するため、ついにスピナーベイトケースを自作する決断をしました。
ベースとしたのは、アブガルシアのEVAタックルボックスMサイズ(幅21㎝×深さ12㎝×奥行17.5㎝)です。
このボックスは「S、M、L、ロング」の4サイズで展開しており、Lサイズに他のサイズを組み合わせて使用できるような大きさとなっています。
マイボートのセンターストレージにも、組み合わせるとあら不思議、なぜかピッタリはまるサイズなので私のお気に入りです。
現在使用しているボックスを流用して作成できる目途がたったことが、今回の決断のおおきな理由です。
革でスピナーベイトラックとなる仕切を作成して、ボックスに固定するという方針です。
材料
準備した材料は以下のとおりです。
- アブガルシアEVAタックルボックスMサイズ
- ぬめ革(A5サイズ(210㎜×148㎜)、厚み2㎜、ブラック) 1枚 980円
- アクリル板(300㎜×200㎜、厚み1㎜、透明) 1枚 492円
- マジックテープ(面ファスナー) オス、メスのシートで裏が粘着テープになっているタイプ
- 両面テープ
ぬめ革はアマゾン、アクリル板はホームセンターで購入しました。
価格は税込み、タックルボックスとマジックテープと両面テープは既に持っていたものを使用しました。
作成方法
(1)革を切る
ぬめ革を3枚に切る。
革の短辺を3等分(約5㎝)にする。
(2)アクリル板を加工する
アクリル板を切って165㎜×40㎜の板3枚を作成する。
作成したアクリル板の片面に両面テープをはる。
革3枚の裏面中央へ、長辺をピッタリとあわせてアクリル板を貼り付け、革の強度を補強する。
(3)マジックテープを切って貼る
マジックテープのメス(柔らかい方)を5㎝×2㎝の大きさに6枚カットする。
革3枚の表面左右端へマジックテープ(メス)を貼る。
マジックテープのオス(硬い方)を4㎝×3㎝の大きさで6枚カットする。
タックルボックスへマジックテープ(オス)を貼る。
ボックス対面の壁にも同じ場所へマジックテープを貼り付ける。
貼る位置はラックを固定するところだが、単純に長さを4等分した箇所ではない。
スピナーベイトをラックへ吊るすと、重たいヘッド側に傾いてブレード側の方が広いスペースを必用とするから、それを考慮して位置を決めること。
試行錯誤の結果、今回はマジックテープ(オス)の大きさを4㎝×3㎝とした。
メスのテープ幅が5㎝のため少しメスがはみ出すことになる。
5㎝すべてを密着させると、固着が強く取り外しの際に苦労すると考えた。
代替案として、
2㎝×3㎝を12枚作って、上下1センチ間隔を開けて固定場所に2枚ずつ貼る(パターン1)。
2㎝×16㎝を4枚作って、上下1センチ間隔を開けて広範囲に2枚ずつ貼る(パターン2)。
なども検討の余地はある。
(4)革を加工してセットする
革にスピナーベイトを固定するためのスリットを切る。
1枚は2㎝間隔で7カ所、2枚は2㎝間隔で8カ所、長さ8㎜の切り込みを入れる。
7カ所のスリットを切る革は、他の2枚8カ所のスリットの中間位置に切り込みを入れること。
革の柔軟性と復元性によって、ただ切るだけでスピナーベイトを固定できる。
革の仕切両サイド、アクリル板との境目に折り癖をつけてタックルボックスへ固定して完成。
真ん中にスリットを7カ所切った革をセットすると、スピナーベイトを吊り下げたときに両サイドとズレる位置となり都合がいい。
最大23個のスピナーベイトを保管できるスピナーベイトボックスが誕生した。
反省点
加工のし易さから、ぬめ革の厚さは1.5㎜の方がいいと考えます。
強度が欲しくて2㎜厚を使用しましたが、結局革だけでは強度が不足(歪み、曲がり)してアクリル板で補強することになりました。
2㎜では分厚くて折り癖がつきにくいです。
なお3㎜厚としても革単体での強度不足は否めないと思われます。
アクリル板の厚さは強度的に1㎜は欲しいところです。
今回の作業では、このアクリル板を切るところがもっとも大変でした。
0.5㎜を2枚重ねることで強度を出すのもありかもしれません。
作成後、バズベイトの収納が困難なことが判明しました。
タックルボックスの高さが不足していて、ヘッド部分のワイヤーが長いバズベイトは真っ直ぐに収納できません。
バズベイトについては、これまでどおりにソフトカードケースに収納し、今回作成したボックスの空いているスペースへ入れることとしました。
後記
最終的には、思っていたよりもしっかりとした物に仕上がりました。
曲げられて強度もあり、スピナーベイトを引っ掛けるスリット加工ができる素材として、革を使いました。
しかし、実際に作ってみると全くの強度不足で、仕切として真っ直ぐにならず、スピナーベイトを掛けると重みでさらに曲がるという困難が待ち受けていました。
アクリル板を貼って補強することで、ほぼ曲がらない仕切兼ラックとして機能させることが可能になり、実用的なスピナーベイトケースが完成しました。
あと3㎝プラス、高さ(深さ)15㎝のケースがあれば、バズベイトも収納可能となります。
まったくの余談となりますが、専用ケースを作ることで、持っているスピナーベイトがこんなに少なかったのかと気付きました。
いつも使っているスピナーベイトは、ブレードはダブルウィローの一択、重さは1/2または5/8ozを狙う深さで使い分けています。
濁りやウィードの量によって、スピナーベイトとスイムジグのどちらを使うか考えることはあります。
ただ、スピナーベイト単独で考えたときは、いま投げているスピナーベイトで釣れるか釣れないか、そういうスタンスです。
釣れないからカラーを変えるとか、モデルやメーカーを変えるとかはしていません。
ということで、持っているスピナーベイトが少なくなるのは必然でしょうか。
せっかく作ったケースなので、スピナーベイトだけでなくブレーデッドジグなども入れて、もう少し賑やかになるようにしようと思います。
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