真実のバスボートライフ(操船)

レンジャーZ185 バスボート

今回は、バスボートの操船についてです。
もちろんボート免許を持っていれば、基本的なことは学んでいるはずですが、国家試験には出てこないことを書いてみます。

トリム調整

バスボートには、船外機の角度を調整するトリムという機能がついています。
トリムによって船外機の角度を上げ下げすることで、走行中のバスボートの姿勢を安定させます。

トリムスイッチ

トリムを下げると、スクリューは下向きになります。
逆にトリムを上げると、スクリューは上向きになります。

トリムを下げることで、船尾を押し上げる(船首は下がる)力が働き、トリムを上げることで、船尾を押し下げる(船首は上がる)力が働きます。

トリム調整の基本は2つ。

  • プレーニングの前には必ずトリムを一番下まで下げる。

  • プレーニングしたら、徐々にトリムを上げる。

(プレーニングとは、ボートがスピードを出して滑走している状態です。そのとき水面下にあるのはスクリューと船底の一部だけとなり、船体の大部分は水面上に出ています。)

スタンヘビーであるバスボートは、スクリューが水平な状態で推力を掛けると、船首が浮き上がってしまいます。
船首の浮き上がりを抑えるためには、トリムを目一杯下げてから、スロットルを開ける必要があります。
トリムを下げずにスロットルを開けると、ボートが空に向かって飛び出します。(≧▽≦)

プレーニングして船体が安定すると、トリムを下げたままでは、船首が水に押さえつけられて抵抗が増えます。
舵が重く、スピードが上がらず、燃費も悪くなるので、トリムを上げてスクリューの角度を調整して船首を上げます。
トリムを上げ過ぎると、船首が浮き上がって、船体がバタついたり、ふらついたりします。

ボートを停めるときは、逆に少しずつトリムを下げながらスピードを落とすことで、ボートをバタつかせずにスムーズに停船できます。

発進から停船までの流れを簡単にまとめると、次のとおりです。

  1. トリムが一番下まで下がっていることを確認する。
  2. 周囲の安全を確認して、スロットルを全開にする。
  3. プレーニングしてボートが安定したら、スロットルを少し戻し、トリムを徐々に上げる。
  4. トリムを上げるのは、船体がバタつかない程度まで。
  5. 停まるときは、スロットルを戻しながら、トリムも徐々に下げる。

ランディング(揚陸)

ボート免許の国家試験では、離岸と接岸はありますが、トレーラーにボートを乗せるランディングはありません。
しかし、初心者にとって最も難しいのが、マリーナに戻ってきてからのランディング、トレーラーにボートを乗り上げるときの操船です。

言葉で説明すると、トレーラーに向かって真っすぐ、ゆっくりと進めばいいだけなのですが、これが意外と難しいのです。
水面に浮かんでいるボートは直進安定性がありません。
スピードが落ちる程、波と風でゆらゆらと左右にブレます。
湖面が穏やかな日はいいのですが、風が出て荒れた日は苦労します。

ランディングする前には、スクリューが水面ギリギリになるように、トリムを上げます。
これを忘れると、エンジンがスロープの底を擦る可能性があります。

慣れないうちは、なるべく遠くの位置から、トレーラーに対して真っ直ぐなポジションを取りましょう。
失敗しそうなときは無理をせず、バックしてやり直すのもありです。
多少曲がっていても、船首がトレーラーの中央に向かっていれば、トレーラーに付いているガイドがボートを真っ直ぐにしてくれます。

トレーラーにボートが乗ったら、エンジンが真っ直ぐになっていることを確認し、最後にエンジンを軽くふかして、ボート先端をトレーラーのキールローラーに軽くぶつけて止めます。
あとは、マリーナの人がウィンチでボートをトレーラーに固定してくれます。
<2021年7月7日修正>
マリーナのスタッフがトレーラーのウインチでボートを引っ張ってくれるので、それに合わせてエンジンを軽くふかします。
ボートがキールローラーに固定されれば、ランディング完了です。

キールローラーにぶつかるようにボートに勢いをつけるのはやめましょう。
衝撃でトレーラーのパーツが壊れることになります。

黄色いのがキールローラー

誰でも最初は苦労すると思いますが、これは回数をこなすしかありません。
そのうちに上手くなります。

ラフウォーター

一番の対策は、荒れると分かっている日はボートを出さないことです。
天気予報、風予報のチェックを忘れずにしましょう。

琵琶湖は風が吹くとすぐに荒れます。
バスボートなんて、木の葉みたいなものです。
荒れた日の恐怖と、走行するボートへの衝撃は半端ありません。

スピードは抑えめに、トリムは下げ気味にします。
トリムを上げていると、ボートが波に乗ったときに船首が跳ねあがります。

波に向かって斜めに進むなどの工夫も必要です。
正面から波を受けるともちろん大変ですが、真後ろから波を受けるのも嫌なものです。

混雑

ハイシーズンの琵琶湖は、かなりの数のバスボートが浮かんでいます。
もちろん、水に浮かんでいるのは、バスボートだけではありません。

観光船、水上警察、ヨット、水上バイク、水上スキー、漁船、カヌー、エレキ船などのレンタルボート、etc.これでもかというくらい、いろんな物が浮いています。
爆音を轟かせる、スピード命みたいな巨大ボートも走ってます。
広い琵琶湖とはいっても、これだけの物が浮かんでいると、かなりの混雑を感じます。
(これは南湖の状況です。北湖はだいぶ違うと思います。)

エリや漁網などの固定物も、あちこちに設置されています。

水上交通のルールを守り、スピードを出し過ぎず、安全な航行を心掛けてください。

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