バスボートへの給油は、今までは携行缶から手動の給油ポンプで行っていました。
この度、新たに電動ポンプを購入したので、手動ポンプとの違いを比較してみます。
きっかけ
ポンプを変更するきっかけは、バスボートの燃料計の故障です。
ガソリンの給油は、毎回30ℓ(10ℓの携行缶3つ)行っています。
給油の際にガソリンが溢れるのを避けるために、燃料タンクに明らかに30ℓ以上余裕があるタイミングで給油していました。
ボートの燃料計はアナログ式で、それほど厳密にガソリンの量を示していません。
そしてボートの使用年数が経過するにつれて、給油した際の燃料計の動きがだんだん怪しくなります。
30ℓ給油しても、燃料計の針の動きが30ℓ分ではなくなってきました。
燃料計が果たして上にぶれているのか、下にぶれているのか。
いったいガソリンタンクには今どのくらいの燃料が入っているのか。
不安を抱えながらも、燃料計の針が1/2を切らないようにしながら、ボートを運用していました。
琵琶湖の南湖での釣行なら、どんなに走り回っても30ℓ(燃料タンク容量の約1/4)は消費しません。
しかし、その不安がある日現実となります。
出船前に燃料計は半分程を示していましたが、その日のうちに燃料切れの警告灯が点灯して湖上でエンジンが掛からなくなりました。
燃料タンクが空になってガス欠です。
実際のガソリン量に対して、燃料計がはるかに多量を示していたことが、ガス欠になって初めて判明しました。
満タンにしたい
その後燃料計を修理してもらうことで、少しはメーターを信用できるようになりました。
元々アメリカ製のボートです。
頑丈なことは得意でしょうが、細かなところまで行き届かないのはやむを得ないのでしょう。
月日が経てば、再び燃料計を信用できなくなると思われます。
最悪の事態であるガス欠は避けたい。
そのため燃料タンクにガソリンがたくさん入っている状態をなるべくキープしたい。
何かいい方法はないでしょうか。
ガソリンスタンドで自動車に給油すると、満タンになると自動で給油がストップします。
これは給油ノズルの先端にセンサーが付いていて、タンクが一杯になりそこにガソリンが触れると給油を止める仕組みになっているからです。
携行缶ではなくマリーナで給油すれば、ガソリンスタンドと同じシステムなので満タンにできます。
でも駐艇しているマリーナではハイオクしか給油できません。
私のボートはスズキエンジンでレギュラーガソリン仕様なので、この方法は却下です。
ネットで調べてみると、同様の仕組みで満タンになると給油が自動で停止するポンプが売られていました。
しかも2千円程度の値段です。
自動停止システムが作動するためには給油口の形状などの条件があるようですが、試してみる価値はありそうです。
満タンにならない
早速購入して使ってみました。
燃料計の針がF(満タン)からほとんど減っていない状況で、ガソリンを30ℓ給油します。
満タンになった時にポンプのセンサーが作動して、本当に給油がストップするでしょうか。
携行缶へ入れる側のノズル、バスボートへ差す側のノズル共に太さは問題ありません。
センサーが上手く機能しないと、ガソリンがバスボートの燃料タンクからあふれ出るかもしれません。
万一に備えて、ポンプのスイッチをいつでも切れるように身構えて給油をします。
ドキドキ、ワクワクします。
そして、なにも起こらず携行缶3つ全ての給油が完了しました。
えっ、満タンにならないの?
ガソリンが溢れることも、ポンプが自動でストップすることもありませんでした。
そうです、30ℓ以上の余裕が燃料タンクにあったということです。
やっぱりバスボートの燃料計は信用できません。
自動停止機能
こうなったら意地でも満タンにするしかありません。
再チャレンジです。
そして遂にその時がやってきます。
給油中の燃料タンクに流れ込むガソリンの音に変化がみられました。
どうやらガソリンで一杯になってきたみたいです。
さあ、ポンプは自動でストップするでしょうか、それともガソリンが溢れるでしょうか。
緊張の一瞬です。
次の瞬間、ポンプに流れるガソリンがピタリと止まりました。
ポンプのスイッチは入ったまま、モーターの音がしなくなりました。
燃料タンクからもガソリンは溢れていません。
正常に自動停止機能が作動しました。
感動しました、素晴らしいです。
これで常に満タン状態を保つことが可能となり、バスボート燃料計問題は一応解決です。
電動ポンプと手動ポンプの比較
電動ポンプと手動ポンプの違いを表にしてみます。
電動ポンプ (三宅化学 PS-N20R) | 手動ポンプ (トラスコ中山 GJ-20) | |
価格 | 約1,500円 | 約350円 |
給油スピード | 9L/分 | 11.5L/分 |
自動停止 | あり | なし |
給油ホースの固定 | 要注意 | 問題なし |
長さ | 75㎝ | 61.3㎝ |
重さ | 306g(電池を除く) | 150g |
耐久性 | 未確認 | 低い |
コスト | 電池代(単1×2本) | 本体買替 |
管理 | 真夏に不安 | 簡単 |
その他 | 保管ケース付属 |
手動ポンプの給油スピードが電動ポンプより速いとは意外です。
手動ポンプの給油スピードは、どのように測定したのでしょうか。
サイフォン効果を利用した場合の実測値は、電動ポンプと同程度でした。
ボートへの給油ホースの固定は注意が必要です。
手動ポンプはノズルを給油口の奥に突っ込めば外れる心配はありません。
電動ポンプはノズルを給油口へ固定するためのクリップが付属していますが、バスボートの給油口には役に立ちません。
逆にそのクリップのためにノズルを奥へ突っ込めないので、放置して給油すると外れる恐れがあります。
まあ、給油の際は注意を怠らず、目を離すなということは当然ですね。
電動ポンプの耐久性は使用し始めたばかりで不明です。
電池の持ちもまだ分かりません。
手動ポンプは手でペコペコ押す部分が劣化してそのうち亀裂が入るため、ある程度で買替が必要になります。
電池を使用する電動ポンプは、高温にならないよう真夏の保管場所に注意が必要です。
付属の保管ケースは、灯油用ポリタンクの横に固定できるタイプです。
バスボートの場合は必要性を感じませんが、使用後にガソリンが垂れるのを防ぐ意味で利用しています。
評価
個人的には、電動ポンプは買いです。
ポンプ自体が多少かさばって重くなりますが、便利で有用です。
もっと早く購入していればガス欠にはなりませんでした。
自動停止機能は、満タンをキープしたい場合は何物にも代えられません。
ポンプをペコペコ押す手間も不要で、ポンプの劣化を気にする必要もありません。
1,500円程度でこんなに便利な物が手に入るとは、なんていい世の中なのでしょうか。
耐久性は不明ですが、2,3年も持ってくれれば文句はありません。
使用する電池は、単一仕様の製品と、単三仕様の製品が販売されています。
値段はほぼ変わらないので、ポンプを使う頻度に応じて選択したらいいと思います。
コメント