TALEX(偏光グラス)

ウェアー、小物、他

バスフィッシングの必需品、偏光グラス。
その偏光レンズを作っているメーカー、TALEXについてです。

偏光グラスとは

偏光レンズという、雑光(反射光、ギラツキ)を効率的にカットするレンズを使用したサングラスを、偏光グラスと呼びます。

仕組みは良く分かりませんが、特定の方向に振動する光を通さないことで、雑光だけカットすることが可能になっているようです。
もちろん、普通のレンズでも色を濃くすれば雑光をカットできますが、そうすると視界が暗くなりすぎて、見たい物まで見えなくなってしまいます。

ドライブ、マリンスポーツ、スノースポーツ、フィッシングなどで、偏光グラスが愛用されています。

ドライブでは、車のフロントガラスに乱反射する光をカットすることで、クリアな視界を確保します。
マリンスポーツ、スノースポーツでは、水面や雪面からの反射光をカットすることで、目を保護して、水面、雪面を見やすくする効果があります。

バスフィッシングにおいては、水面からの反射光をカットすることで、水中の様子を見えやすくします。
バスそのものを探すサイトフィッシングはもちろん、水中のカバーやウィードを見つけることで、ルアーをキャストすべき場所を把握できます。

TALEXとは

日本の偏光レンズメーカーで、世界で唯一、偏光レンズだけを製造しているメーカーです。

専門メーカーだけに、そのレンズは高性能で、レンズカラーなどのラインアップも豊富です。
TALEXの偏光レンズを使用した偏光グラスは、様々なメーカーから発売されていて、そのことからも、信頼のおけるレンズであることが分かります。

高級な偏光グラスでは、ほとんどTALEXの偏光レンズを採用しているといっても、過言ではありません。

レンズの品質

たかがレンズ、されどレンズです。

安価な偏光グラスでも、水面の反射光をカットして水中を見るという機能は、ある程度備わっています。
一方、TALEXのレンズを使用した偏光グラスは、大抵2~3万円くらいします。

何故そんなに高いのでしょうか。

レンズが高価だからです。
TALEXのレンズは、材質や、コーティングの違いなどによって価格は変わりますが、2枚1組で1万円以上するものがほとんどです。

もちろん、価格が高いのには理由があります。
品質がとてもいいからです。

  1. レンズにひずみ(歪み)がありません。
    ひずみがある安価なレンズは目の疲労の原因となり、長時間使用することで、頭痛やめまいなどの症状が出ることがあります。
  2. 偏光度(雑光カット率)の高さ。
    色が薄くても、しっかりと雑光をカットする偏光度の高い「雑光カットフィルター」が、レンズに組み込まれています。
    このことが、ローライト下でも使用できる、レンズの色が薄い偏光グラスの実現を可能としています。

なお、TALEXのレンズは全て、レンズカラーによらず、目に有害な紫外線を99%カットします。

レンズカラー

TALEXの偏光レンズには18色のラインアップがあります。(2019年11月現在)

レンズカラーによって、雑光カット率、可視光線透過率と、ナチュラル、コントラスト、ブライトネスという3種類の視覚バランスが異なります。

3種類の視覚バランスとは、以下のとおりです。

  • ナチュラル:自然のままに見える
  • コントラスト:シャープに、クリアに見える
  • ブライトネス:より明るく、鮮明に見える

基本となるレンズカラーは、『トゥルービュー』です。
 レンズの色:グレー
 雑光カット率:99%
 可視光線透過率:30%
 ナチュラル :100
 コントラスト:0
 ブライトネス:0

雑光はほぼ全てカットし、明るさを7割減らし、色彩はありのままに、というレンズです。

このレンズを基準として、可視光透過率や、視覚バランスが異なるレンズが揃っています。

私が今使用しているレンズは、『トゥルービュースポーツ』と『ラスターオレンジ』の2種類です。

トゥルービュースポーツ

トゥルービュースポーツ

 レンズの色:茶色ががったグレー
 雑光カット率:99%
 可視光線透過率:30%
 ナチュラル :70
 コントラスト:15
 ブライトネス:15

トゥルービューに最も近いレンズですが、やや物の輪郭を際立たせる味付けがされています。

私はこのレンズに、シルバーのミラーコートを付けているので、可視光透過率はもう数パーセントダウンします。
ミラーコートはブルー、シルバー、ゴールドの3つから選べます。
ブルーとゴールドは色味が入っているため、もとのレンズの性能を保つには、シルバーにするのが無難です。

夏の日中、強い日差しの下で使用するために購入しました。
眩しさからしっかりと目を守ってくれて、水中のウィードや魚も良く見えます。

曇り空での使用も問題ありませんが、さすがに雨だと視界が暗く感じます。

ラスターオレンジ

ラスターオレンジ

 レンズの色:明るいオレンジ
 雑光カット率:95%
 可視光線透過率:32%。
 ナチュラル :0
 コントラスト:60
 ブライトネス:40

自然な色あいではありませんが、物を明るく見せ、輪郭をはっきりと際立たせます。

私が最初に購入したTALEXは、このレンズです。

世の中が薄っすらとオレンジがかって見えます。
ただし、気になるのは最初だけで、しばらく掛けていると全く気にならなくなります。

水中のウィードや魚の輪郭が強調されて見えます。
雨などのローライトの中でも、明るさを保つことができます。
強い日差しの下でも眩しくはありませんが、もう少し光量を抑えたレンズが欲しいと思いました。

オーダーメイド

釣具店で購入できる既製品の偏光グラスでも、TALEXのレンズを使用したものはいろいろあります。
その中から選ぶのがお手軽ではあるのですが、せっかく高価なものを購入するのですから、好みのレンズに好みのフレームを合わせたいと思いませんか。

そんなあなたは、是非ともオーダーメイドを利用してください。
オーダーメイドであれば、レンズに度を入れることも可能です。

大阪には、TALEXの直営店があります。
また、TALEXの偏光レンズを取り扱っている眼鏡店、サングラス店でも、オーダーメイドで作ることができます。

TALEXのホームページには、直営店や全国のTALEX認定ショップの情報が掲載されています。

私は、東京上野にある、スポーツサングラスの専門店、『オードビー』でTALEXの偏光グラスを作りました。
店頭で、様々な種類のレンズの見え方を比較して、レンズカラーを選ぶことができます。
このお店は、主にスポーツでサングラスを使用する人を顧客としており、偏光グラス製作の経験も豊富で、いろいろな相談に乗ってもらえます。

度付きレンズ

私は近眼なので、偏光グラスのレンズに度を入れています。
パソコンの画面を見るのにも、眼鏡が必要です。
ただし、手元30㎝くらいは、裸眼でハッキリと見えます。

そして、人は40歳を過ぎると老眼という問題に悩まされます。
もともと目がいい人の症状は分かりませんが、近眼の場合は、遠くを見るために眼鏡を掛けると近くが見えなくなります。

遠距離に合わせた強い近眼用の度を入れた眼鏡では、手元はもちろん、中距離、パソコンの画面が見えなくなります。
そのため、デスクワーク用に、その距離に合わせた弱い近眼用の度を入れた眼鏡が、もう一つ必用になります。
そして、手元を見るときには、眼鏡を外します。

ラスターオレンジの偏光グラスは、遠距離に合わせて強い近眼用の度を入れて作りました。
フレームは、ラインを結び替えたりする時に裸眼で手元を見るために、レンズを跳ね上げられるものを選択しました。

レンズを跳ね上げた状態

ちなみに、跳ね上げ式フレームの欠点は、バスボートの運転でゴーグルを使用すると、ゴーグルを外すときにゴーグルのフレームに引っ掛かって、勝手にレンズが跳ねあがってしまうところです。

これで遠くと手元を見ることに不満はないのですが、中距離、バスボートのコンソールに設置した魚探の画面が良く見えないのです。

遠近両用

そこで、魚探の画面をしっかりと確認するために、もう一つ、遠近両用のレンズを使用した偏光グラスを作ることにしました。
近は裸眼で見えるので、正しく表現すると、遠中両用となります。

レンズカラーは、真夏の日中、強い日差しでの使用を考えて、トゥルービュースポーツを選びました。

一本目の偏光グラスと同様に、手元を見るために、跳ね上げ式のフレームを考えていました。
横からの光を遮るために、レンズ横に風防のあるフレームが欲しいのですが、お店で選んでいると条件にあった製品が見当たりません。
前回購入したフレームも、既に生産中止となっていて、どうやら適当な製品がないことが分かりました。

店員さんに相談してみました。

遠近両用レンズというのは、レンズの上が遠距離用、下が近距離用の度となっていて、上から下に向かって無段階で度が弱くなっていく構造だそうです。
そのため、遠距離と中距離ではなく、遠距離と近距離に度を調整して作れば、眼鏡を外さずに近くが見えるし、中距離(バスボートのコンソール)はレンズのどこかでピンとが合うとのことでした。

まずは、視力を測定してもらい、遠距離と近距離の度を決めます。

そしてフレームを選ぶ時に、注意が必要です。
遠近両用レンズの構造上、ある程度レンズの大きさを確保しなければなりません。
そのため、レンズが小さく、ぱっと見クールなフレームは遠近両用に適していないのです。

店員さんにいくつか候補を挙げてもらった中から選んだフレームは、イタリア製のルディープロジェクトというメーカーのものでした。

遠近両用レンズの使い勝手

遠近両用メガネでは、遠くを見るときはレンズの上、中くらいの距離はレンズの真ん中、近くを見るときはレンズの下で見ます。
目線を動かすというより、実際には首を上下に動かします。

遠くを見るときは顎を引いて上目遣いで、近くを見るときは顎を上げて目線を下げます。

良く見えるかという点は、中~遠距離は問題ありません。
遠くはもちろん、コンソールの魚探がハッキリと見えるようになりました。

近距離については、少し問題があります。
遠から近の度の差が大きいと、慣れないと使いづらいとの指摘があったため、近距離の度を測定値から一つ遠距離よりに設定しました。

ラインを結べないことはないのですが、結び目の確認は、偏光グラスを外さないとできません。
慣れるのに時間が掛かるとしても、近距離をもっとよく見えるような度にすれば良かったと、後悔しています。

そして一番の問題は、左右に視線が動くと、全くピントが合わないことです。

遠近両用レンズは、レンズの中央上下に度が入っていて、左右には適当な度が入っていません。
通常の眼鏡は、レンズ全体に均一な度が入っているので、視線が左右に動いても全く問題ないのですが、遠近両用メガネは少しでも視線が左右に動くと、世界がぼやけます。

首を左右に動かさないと、本当に見えないのです。
これは実際に使用してみて初めて分かった、ネガティブな点です。

遠近両用の偏光グラス作成を考えている方、まずは普段使用している眼鏡を遠近両用にしてみてください。
格安ブランドの眼鏡でも遠近両用レンズにすることは可能です。
しっかりと使用感に慣れた上で、遠~近の度をどうするかも含めて、遠近両用偏光グラスの作成を検討することをお勧めします。

終わりに

TALEXの偏光グラスは高価ですが、品質と性能が良く、水中の状況が良く見えて、一日中掛けていても全く不快感はありません。
オーダーメイドならレンズカラーとフレームに好きな物を選べて、所有欲も満たしてくれます。

私の場合は、レンズに度を入れているため、さらに価格が上がり、2つとも5~6万円といった値段でした。
レンズも高いのですが、実はフレームが意外といい値段します。

レンズカラーについては、絶対これというのは無いと思います。
天候や各人の好みによっても変わってきます。

私は、通常はトゥルービュースポーツを使用して、雨の日にラスターオレンジを使用しています。
ただし、ラスターオレンジも、大雨のときは少し暗いと感じます。

バスプロの方などが使用感を述べていたりするので、参考にしつつ、店頭で実際に比較して決めたらいいのではないでしょうか。

 

※レンズカラーの視覚バランス数値は、TALEXが公表している資料を基に、私が目分量で数値化したものなので、あくまでも参考値とお考えください。

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