前回「バスボートの購入(その2 艇種を決める)」で、レンジャーボートの新艇、18ftクラスを購入するところまで決まりました。いよいよ、ボート販売店を訪問し、具体的なボートのモデル、エンジン、その他オプションを相談します。
販売店、車でいうとディーラーに当たるお店です。車の場合ディーラーはメーカー専属になりますが、バスボートでは複数のメーカーのボートを取り扱うのが一般的なようです。恐らく、販売台数の絶対数が少なく、単一メーカーだけでは経営が成り立たないからではないでしょうか。
販売店を決める
琵琶湖での運用を前提としているため、琵琶湖に近い販売店を探し、『バスボートジャパン』さんを訪問しました。こちらのお店は、今江克隆プロにバスボートを納艇している業者です。
今江プロと言えば、30年くらい前の私が学生であったころ、あらゆるトーナメントで勝ちまくっていた、伝説のバスプロです。私は、ここ25年ほどバス釣りの世界から離れていましたが、今でも、日本のトップカテゴリーのトーナメントで活躍されているのは、さすがだと思います。
お店を始めて訪問したのは、平成30年4月上旬です。この時、私はまだ東京に住んでいました。メールでアポイントメントを取り、東京から新幹線に乗って、はるばる来店しました。家探しも兼ねて滋賀まで来ましたが、それについては、「琵琶湖に住むまで」の回に記載しているので、詳細は参照してください。
当日対応していただいたのは、社長の浅野さんです。バスボート初心者である私に対して、とても丁寧に説明してくださいました。
モデルを選ぶ
18ftクラスのレンジャーボートで、購入可能な2018年モデルは、Z518c、Z518、Z185の3種類でした。違いを大雑把に説明すると、下の表のようになります。
モデル | 長さ | 幅 | 最大馬力 | 燃料容量 | 装備 | 価格 | 備考 |
Z518c | 18ft8in | 94in | 200 | 37gal | 高性能、豪華 | $46,895 | Z518 の豪華版 |
Z518 | 18ft8in | 94in | 150 | 37gal | 標準的 | $36,995 | |
Z185 | 18ft8in | 96in | 150 | 33gal | 標準的 | $33,695 | 船体構造に違いあり |
なお、価格は、マーキュリーのエンジンを搭載した場合の、アメリカでの販売価格です。
Z518cについては、価格が1万ドル(100万円以上)ほど高くなるため、当初から検討外と考えていました。
そこで、Z518とZ185の比較検討を行います。Z185 は価格を抑えるために、船体構造の一部を安価な構造としています。走行性能を比較すると、Z518 に部がありますが、船体の幅が広い(当然バウデッキも広い)Z185の方が、釣りがし易いのではないかと思いました。
もちろん、デザインも重要です。コンソールの形状が大きく異なります。こればかりは、個人の好みの問題なのでなんとも言えませんが、少なくとも筆者にとっては、どちらも甲乙つけがたしといったところです。
トーナメントで、他人より少しでも早くポイントへ到着するといった場合は、また違いますが、少なくとも、琵琶湖でバスを快適に釣るために十分かを考えて、Z185に決めました。
エンジンを選ぶ
レンジャーボートの標準エンジンはマーキュリーですが、オプションで、ヤマハとスズキを選ぶことができます。
バスボートジャパンさんのお薦めは、標準装備のマーキュリーでした。設計上も船との相性がいいとのことです。ヤマハは壊れやすいとの話もありました。私の選択は、琵琶湖のプロガイド御用達のスズキです。
スズキのエンジンは4ストロークです。他社の2ストロークエンジンに比べ、4ストロークエンジンは燃費が良く、燃焼時にオイルを消費しないため、排気ガスもクリーンで環境に優しいのです。また、スズキのエンジンは、ハイオク仕様の他社と違い、レギュラーガソリンを使用できるので、その点でも経費を節約できます。
もちろん、いい事ばかりではありません。構造上、エンジンが重くなります。そのため、最高速度も遅くなります。これらを犠牲にしても、釣行回数が多い場合、燃費が良いというメリットはお釣りがくると思います。
私はフルタイムでのバス釣りを予定していて、ランニングコストを抑えたいという希望があるため、スズキ以外に選択の余地はありませんでした。
ちなみに、スズキのエンジンを選択したことで、標準装備のマーキュリーに比べて価格が少し上がりました。
エレクトリックモーターを選ぶ
Z185モデルには、標準でミンコタのエレクトリックモーター、フォルトレックス80が付属しています。
これでも十分なのですが、ここはやはり巷で話題のウルトレックスを、載せない訳にはいかないと思いました。高価ではありますが、思ったところでボートをステイできる機能は、捨てがたいものがあります。また、強風の中でも進めるように、推力も80lbから112lbへアップさせます。
ということで、エレクトリックモーターは、ミンコタのウルトレックス112にグレードアップしました。(これだけで、20万円以上の追加です)
魚探を選ぶ
ローランス、ハミンバード、ガーミン、ホンデックス、etc.
様々なメーカーから、いろいろな性能の魚探が発売されています。
まず、何台設置するかです。
バウに1台、コンソールに1台、最低2台は必要になります。バスプロのボートなどは、バウ2台、コンソール2台が当たり前になっています。理想を言えば、合計4台、しかも大画面で高性能なものを設置したいのですが、1台何十万円もする魚探をホイホイ付ける訳にもいきません。
現実的なところで、バウ1台、コンソール1台の計2台設置でしょうか。
次に、メーカーを決めます。
・ローランス
みんなが使っているローランス。高性能、多機能、使う人の必要に応じて各種モデルのラインナップが充実しています。
・ハミンバード
バスが映ると言われるサイドスキャン、ボートを中心にぐるっと湖底が映る360°イメージングなど、独自の技術が光ります。
・ガーミン
魚探としては後発メーカーですが、GPSメーカーとしての実績は十分です。
・ホンデックス
メイドインジャパン。昔は、魚探といえばホンデックスという時代もありました。
ミンコタのエレクトリックモーターとハミンバードの魚探の組み合わせで、魚探でマークした地点をエレキが勝手に進んでいく、オートパイロットという機能があります。最強のバスプロ、ケビン・バンダムも、最近ミンコタとハミンバードを使うようになったと聞いています。
ということで、魚探のメーカーはハミンバードにしました。でも、オートパイロット機能については、説明を聞いて必要性が余りなさそうに思えたので、ウルトレックスに付加することはしませんでした。
次に、モデルと画面サイズを決めます。
モデルは上から2番目の性能を持つ、ヘリックスシリーズとしました。最上位のソリックスシリーズとの大きな違いは、タッチパネルの有無です。スマホライクなタッチパネルは、操作性の向上につながりますが、価格も向上します。10inモデルでおよそ20万円の価格差があります。
バスが見えると言われるメガイメージングや、深さや地質をマッピングできるオートチャートライブなどの機能は遜色ないため、よりリーズナブルなヘリックスシリーズに決めました。
画面サイズが一番の悩みどころです。画面が大きい⇒情報量が増える⇒見やすい⇒釣りやすいとなります。バスボート初心者なので、画面の大きさのイメージもできません。できれば最大の12inとしたいところですが、魚探は画面がワンサイズ大きくなると、ん十万円が価格に反映します。バウとコンソールでサイズを変える(バウを大きめにする)という手もあります。
最近の大画面テレビのお買い得感と比べて、なんという違いでしょうか。泣く泣く、価格を考慮して2台ともに9inで我慢しました。こればっかりは、なんとも言えませんが、不安が残ります。
なお、360°イメージングは、今回導入を見送りました。こちらはオプションで、1基20万円也となります。
結論として、魚探2台、メーカーはハミンバード、モデルはヘリックスシリーズ、画面の大きさはバウ、コンソールともに9inとなりました。
ちなみに、1台約30万円です。( ;∀;)
ボートのオプションを選ぶ
自動車でいう、メーカーオプションという部分です。
カラーから始まり、ダブルコンソール(助手席にコンソールを付ける)、センターシート(運転席と助手席の間にシートを付ける)、フットスロットル(車のアクセルペダルみたいにする)、ジャックプレート(エンジンと船体の間に付けて走行性能を上げる)、パワーポール(シャローでボートを固定するアンカー)、ロッドバックル(バウデッキにロッドを固定するベルト)etc.、そんなものまであるのかと思うほどに、多様なオプションを選べるようになっています。
カラーについては、通常は8種類のパターンから選択しますが、追加料金で、オリジナルのカラーにすることも可能です。お金持ちには至れり尽くせりです。私はもちろん、通常のパターンから選択しました。ボートの色で釣果に差は出ませんから。
ダブルコンソールは、見た目のバランスもありますが、助手席に乗る人にとっては、風よけになるので、とてもありがたい装備とのことです。私は助手席の人のことは気にしないので、シングルコンソールのままにしました。
オプションで追加した装備は、以下の通りです。
- ボートカバー
- エンジンカバー
- キールプロテクター(船底をガードするテープ)
- リモート・ドレイン・プラグ(船底にある水を抜く栓を、船上から操作できる機能。栓を閉め忘れて出船すると浸水しますが、出船後でも栓を閉めることが可能。)
- リモート・ライブウェル・ポンプアウト(ライブウェルの水を減らすことで、魚を取り出し易くする)
- リトラクタブル・ロッド・バックル(バウデッキにロッドを固定する、伸び縮みするベルト)
その他
魚探関係の追加オプションで、ネットワークのケーブルやアダプター、ヘディングセンサー付GPSアンテナ(魚探のGPS画面で船首方向を表示できる)、オートチャートライブの記録用SDカードなど。
エレクトリックモーターの推力をアップしたことによる追加バッテリー。
今回は、バスボートの購入にあたって、私が購入するバスボートの仕様詳細についてお話しました。仕様の詳細が固まって、ようやく契約になります。契約については、次回改めてお話させていただきます。
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